おカタイ上司はアレも硬い?! (Page 4)
「は?」
「初めてなんです!聞こえました?!」
「聞こえた…」
私の叫びに、一瞬でチーフは我に帰ったようだった。
「マジかよ」
「マジです」
ソファに押し倒された姿勢のままでチーフを見上げる。
「だから、その、いきなりこういう展開っていうか、好きって言われたばかりだし…その、ちょっと待って、っていうか」
しどろもどろになった私をチーフはじっと見つめたかと思うと、いきなり私の腕を引いて起こした。
「わっ」
「じっとしてろ」
「え?!ちょ、下ろしてくださいチーフ!」
「動くなって言ってんだろ」
ふわっと抱き上げられたかと思うとそのまま運ばれた。隣の部屋。寝室らしき場所に。
落ちてしまうんじゃないかってしがみついてた私を、ベッドの上にそっと下ろす。そのまま覆いかぶさられた。
「何でも言っていいぞ」
「へ?」
「俺はお前のことが好きな男だ」
「…」
「何でも言うこと聞いてやる、好きなこと言えよ。何でもしてやるぞ」
これ…、夢かしら?
私、今日は残業だったけどアニメが見たくて、チーフの部屋に来てさっきまでビール飲んでて、何なのこの急展開。
アニメ以上だわ。
「言ってみろ、原田」
「せ、責任とってください!」
急展開とビールとチーフの勢いにメチャクチャになったまま、気がつくと頭に浮かんだことを叫んでいた。
ぽかんとした顔を見せたチーフは、くすくす笑い出した。
私の手を取って上からどくと、そのままゆっくり私の背中を起こさせて、何故だかするりとベッドを降りた。自分だけ。
「喜んで」
ベッドに腰掛けた私の前で跪く姿勢。手を取られた私の方が呆気に取られてしまった。
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