スペンス乳腺って…何!?
交際一年の彼氏と過ごすいつもの休日…だったのに。「最近エッチがマンネリ気味だから…」と未知の快感を探り当てる彼の手に、最初は意地を張りながらもついに陥落…!楽しい開発エッチの扉が開いてしまうのでした。
「スペンス乳腺ー?」
聞きなれない単語にハテナマークを浮かべる私に向かって正志はこっくりとうなずく。
「そう。スペンス乳腺。ちょっと今からやってみようよ」
ある日曜日。
付き合って一年になる正志と同棲中のアパートでダラダラしていた。
付き合いたての頃はそりゃイチャイチャもしたけど、最近は落ち着いてきた。
そんな時期のこと。
彼は朝からずっとスマホをいじっている…と思ったら。
「亜季…」
そう呟いて私に後ろから抱き着いてきたのだ。
ここまでは普段からよくあること…なのだが。
正志はそのまますばやく私のニットの裾に手を入れ、胸を触ってきた。
これには私もさすがに慌ててしまう。
「きゃー!ちょ、ちょっといきなり…」
家ではノーブラなのがアダとなり、彼の手が直接素肌に触れてしまう。
「スペンス乳腺ってのを刺激すると、すげえ気持ちよくなるらしいぜ、試してみようよ」
私の服の中に手を入れたまま、正志は楽しそうに話し始める。
もう、本当この馬鹿彼氏は!
大学のテストも赤点ギリギリの癖にこういうことには熱心なんだから。
ていうか、スペンス乳腺って何よ!
…ということで冒頭に戻る。
「俺もさっき知ったんだけど、胸のGスポットって呼ばれてるところなんだって」
とにかく胸を触るのを一旦中断させ、なぜか正座で向かい合う私たち。
目の前には正志が掲げるスマホ画面がある。
「ほら、検索したら結構サイトが出てくるだろ?」
「うわあ、こんなに…。でも私そんなの初めて聞いたけど」
胡散臭そう、と思いっきり顔に出したが正志はそんな私を気にせず続ける。
「脇の下の、胸の付け根のラインがそうなんだって。そこを軽く触るのがいいらしいよ」
そう言われて、実は思い当たるフシがあった。
なんとなく自分で脇の下のその辺りを擦ると、身体の力が一気に抜けてしまうような感覚になる、という体験を何度かしたことがあったのだ。
でも私は元々かなりくすぐったがりの部類なので、単に脇の下を触ったからそうなるのだと思っていた。
それがこんなにもサイトが出てくるほど、性感帯としてメジャーだったとは…。
考え込む私に、正志は明るく言い放つ。
「開発してみようぜ!」
「開発って…AVの見すぎなんじゃないの?」
「でも最近マンネリしてるだろ?俺たち」
「え…」
「エッチの時いっつも同じプレイしかしてないじゃん」
「プレイとかそういうこと言うのがAVの見すぎって言ってるの!」
でもエッチがマンネリ気味というのは本当のことだ。
付き合って一年も経つし、そういうものだと思っていたけど。
「やってみよう、ね!嫌だったらすぐ止めればいいから」
正志はそう言って、勢いよくハグをしてきた。
強引に昼間からエッチに持ち込む時のいつものパターンだ。
「もう…しょうがないなあ…」
ちょっとだけならいいか…と思ってしまった。
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