ニート、家事代行のお兄さんにオナニーを見られる

・作

ブラック企業を退職し、実家に帰ってきたわたし。家族の不在をいいことにお気に入りのおもちゃでむらむらを発散させようと思ったのに、家事代行の若いお兄さんが突然入ってきて見られちゃった!思わず引き留めたけど、お兄さんも興奮していて…!?

「ちょっと、あんたいつまで寝てるの!」
「んー…」

お母さんの声がくぐもって聞こえてくる。薄いポリエステルの布団越しにぼんやりと部屋が明るくなったのがわかって、カーテンを開けられたんだな、と思った。

「お母さんもう行くからね! 今日はにこにこさん頼んでるからあんたちゃんと起きて顔くらい洗っときなさいよ!」
「んー…」

いやいや、つい一昨日やっとブラック企業に見切りをつけて実家に戻ってきた娘に対して当たり強くない?

嵐のようにやってきたお母さんはどしどしと足音も荒く、来たときと同じようにわたしの部屋を出て行った。

玄関のあたりでも何か喋っている声が聞こえてくる。それからばたん、がちゃ、と、ドアが閉まって鍵のかかる音。

やっぱり実家はお金かからないし楽だけど、自由もプライバシーもないなぁ…。
ノックもなしに部屋に突撃してくる家族がいたんじゃ、満足にオナニーもできないっていうか…
寝起きのぼんやりとした頭が、そこでぱっちりと覚醒した。

今、家にはわたししかいない。チャンスでは!?

布団を蹴り飛ばして起き上がり、まだ封も切られていない引っ越し用段ボールの山は無視してキャリーバッグをこじ開ける。

お目当てはタオルで包まれた防水のバッグだ。ダブルチャックをぺりぺりと剥がして開け、中身をベッドの上にぶちまけた。

「どれにしよっかな…」

ごろごろと転がり出てきたのは、シリコン製であったり樹脂製であったり…どれも一様になめらかなフォルムで繊細なところを傷つけないようになっている。

ピンク、紫、ボルドーと、最近のはどれもかわいい色で「ポーチに入れておいてもバレにくい!」「お部屋のインテリアとも相性ばっちり!」とかいう謳い文句だけれど、インテリアとして飾っておけるわけないだろうといつも思ってしまう。

だってこれらは玩具――いうところのオナニーグッズであるわけだから。

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