勘違いから始まる彼との長い夜 (Page 3)

カズくんが乱暴に口付けてくる。

それを拒むこともできず、私はぎゅっと目を閉じた。

「ん…っ」

むさぼるような激しいキス。

ふわりとアルコールの味がして、酔ってしまいそうな感覚に陥る。

普段お酒を飲んだって、酔うことなんてないのに。

彼の…カズくんの口付けに、溺れてしまいそう。

「…そんな物欲しそうな顔して。嫌じゃないの?」

唇を離したとき、カズくんが囁くように問いかけてきた。

ぼうっとして頭の回らない私は、カズくんの言葉に小さく頷いた。

すると、彼は意地悪い笑みを浮かべて私の頬に手を添える。

「アタシのことが好き?」

「…う、ん」

どうして全部素直に答えてしまうのだろう。

彼の瞳に見つめられると、嘘がいえなくなってしまう。

「ふふ。いい子ね。じゃあおねだりしてみて?」

「…なにを?」

「アンタが一番わかってるでしょ?」

意地悪をいわれて、下半身が疼くのを感じた。

「…っ」

「なにしてほしい?ミオのいうこと、なんでも聞いてあげる」

こんなときになって、いつものような優しい言葉をかけてくる彼がいじらしい。

でも…私も我慢の限界だった。

「…キス、して」

私の要求にすぐにこたえてくれたカズくんの唇が、私の唇に押しつけられる。

再び香るお酒の匂いに、頭がくらくらした。

今度はゆっくりと何度も角度を変えて、ついばむように優しくキスを落としてくれる。

そのギャップが、また私の中に熱を溜めていく。

カズくんはキスをするだけで、その先にはまだ踏み込んでこない。

早く…早く触ってほしい。

「んあ、カズくん…っ」

「…ん?」

「もっと…いろいろ触って…」

「例えば?」

また意地悪。

焦らされている気分になって、私はカズくんの首に腕を回した。

「カズくんの好きにしてほしい…」

「…止まんないわよ?」

カズくんの瞳が、ぎらぎらと光る。

私だってそれを求めているのだ。

こくりと頷いて、彼の頭を引き寄せた。

カズくんはほう、と熱い息を吐いて私の首筋に舌を這わせ、服に手をかけた。

彼に触れられたところから、蜜のようにとろけてしまいそう。

「ミオ…もうアンタはアタシのものだから…わかってるわね?」

「うん、うん…っ」

「ああもう、かわいい…ミオ、好きよ…」

まるで陶酔しているかのように、カズくんは言葉をこぼし続ける。

それに欲情した私は、カズくんの耳に軽く歯を立てた。

くぐもった声を漏らした彼は、くすりと余裕がなさそうに笑って、脱げた私の服を乱暴に投げ捨てる。

まだちゃんと触れられてもいないのに、私の体は火照っていた。

「あんまり煽んないで?」

そう呟いて、カズくんは性急に私の下着も取り払ってしまった。

ふるりと揺れる胸。

低く喉を鳴らして、カズくんは私の胸の飾りにしゃぶりついた。

待ちわびた快感に、ぞくぞくと背中が粟立つ。

「ああ…っ!」

口の中で胸の先端がつつかれては転がされ、じゅっと音を立てて吸いつかれる。

腰にまで響くその感覚に、じわりと蜜があふれるのがわかった。

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