服従エッチ。尽くし癖で振られた私にピッタリな相手は、憧れの上司でした。 (Page 3)
「移動しようか」
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着いたのは、主任の部屋だった。
物が少なくて、モノトーンのモデルルームのようだ。
「おいで」
家に着くなり私の手を引き、そのまま寝室に辿り着いた。
ふわふわとしていた意識は、家に着くまでに少しずつ覚め、我に返った私は声をあげた。
「あのっ藤井主任、私…」
全く拒否できないまま、のこのこと寝室にまで来てしまった。
彼に振られたてホヤホヤなのに、私は何でここにいるのだろう。
「どうしたの?」
優しく問いかけられて、言葉に詰まる。
でも付き合ってもいない男性と寝るのは、いかがなものか。
「私、まだ彼と別れたばかりで…」
「うん、知っているよ」
「藤井主任とも今日初めてこんなに話して」
「そうだね」
「藤井主任のこと、正直素敵だなって思ってます、でも」
穏やかに返事をしてくれる主任に、私は言葉を紡ぐ。
「付き合ってもいないのに、こんな…ことするのは、いけないかなって」
緊張に少し震えながらそう言い、藤井主任の顔を見上げる。
すると藤井主任は、一瞬きょとんとした後「そっか、ごめん」と笑った。
「ずっといいなって思ってたんだ、君のこと」
「…へ?」
「だから今日あの話が聞こえた時にね、チャンスだって思った」
藤井主任が、私との距離を詰める。
私は突然のことに、その場で固まる。
そんな私の手を、藤井主任は掴んだ。
「今日少しでもいいなって思ってくれたなら、僕と付き合ってみない?」
「藤井主任…」
真剣な瞳に、心臓がうるさく音を立てる。
ものすごく顔が熱い…
きっと顔は真っ赤になっていることだろう。
「ダメかな?」
もしかして、策士なのではないだろうか。
首を傾けて、私の顔を覗き込む彼。
(藤井主任に勝てる気がしないんだけど…!)
「…ダメじゃ、ないです」
結局私は、そう答えていた。
何や
今回は標準語かいな
社内恋愛は あかん
燃え上がっている時はええけど
冷めたら最悪やで
知らんけど
杏子 さん 2025年6月11日