双子アナスタシア

・作

双子の紅葉と青葉。似たような時期にお互い恋人が出来た2人。しかし、不思議なことに片方がエッチしてると快感が片割れにも伝わってるらしい。まさかと思っていたけど、彼氏とデート中に快感に襲われた紅葉。2倍に膨らむ快感に乱れる紅葉に彼氏もあてられたように激しくしてきて…

私には鏡写しのようにそっくりな双子の妹がいる。生まれる前から一緒の同じ卵から生まれた私の半身。

「紅葉ー、私のスカート知らない?」

「チェストの下から2段目の左側ー。私の香水知らない?ほらあの細身のバラのパッケージの」

「それは洗面所の右側で見たよー」

服の趣味も似ていて、コスメもお揃いが多く、混ざることはしょっちゅう。母が大雑把なのもあるけれど、私のものは青葉のものだし、青葉のものは私のものだ。彼氏以外は。

「紅葉、この前のデートで初体験したでしょ」

「な、なんで、知ってんの?!え、そんなに挙動不審だった?」

「ううん、そうじゃなくて、なんていうか、あの日家にいたんだけど、急に快感みたいな衝撃来ちゃって。それが2時間ぐらいずーっとで。それにね、見えにくいからお母さんは気が付かなかったけれど、腰の辺にキスマちょっと見えてたよ」

双子は不思議なことに片方が調子悪いと片方も調子が悪くなる。風邪をひくときも一緒で看病が2倍で大変だったと母がよくそんな話をする。大きくなって風邪もほとんどひかなくなったけれど、青葉がなんとなく調子悪い日は私も調子が悪い。お互いが何を考えてるかぼんやり分かるテレパシー的なものも備わってるけど、まさか快感も共有してるなんて思わなかった。

「えー、たまたまでしょ」

「別にいいじゃん。逆の可能性もあるし?」

「青葉の感覚が私に伝わることもあると。今のところはまだないけど」

「だって、まだだもん。あ、でも今度の週末彼氏の家でおうちデートなんだ。そんなこともあるかも」

もうっとか言ってじゃれ合いで終わった。この段階では冗談か偶然だと思っていた。いくら双子とはいえ、そういう事情が筒抜けなのもちょっとね。その後は週末のデートで何を着ていくかで話が盛り上がり、ほとんどその話題は忘れていた。

*****

「このあと、どこ行こうか。ヒロ君はどこか行きたいところある?」

「カフェでも行こうか、ほら前言ってた。この時間なら少し空いてるかもだし」

5時前。ランチはもう終わったし、お茶の時間にしてはちょっと遅め。そうしようとカフェまで歩き出した。
ヒロ君とは大学で知り合った。私達双子にとって幸運だったのは、男の趣味が違う所だろう。学生カップルらしいそこそこ順調な仲。時々喧嘩もするけど、よくある一般的なカップルと言える。
カフェまでは何ともなかった。体調だって悪くなかったし。ところが注文しているところからなんとなく下腹部がきゅんとして、コーヒーを受け取って席に着いた瞬間それは突然やってきた。

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