新生活の引っ越し業者の若手男性が途端に発情してきた話。
春の新生活に向けての引越しの最中、その業者の若手社員の男性の一人が良心で荷解きを最後まで手伝ってくれることに?二人きりの空間で突然詰め寄ってきた彼に私も勝手に身体が動いてしまって…?!
私は新年度から上京して新生活が待っていた。
実家からも離れ、一人だけの生活。
食事を作ったり掃除をしたりとすることは増えるだろうけど頑張らなくては!そう意気込んで今日は引っ越し当日。
手伝いに来てくれた引っ越し業者のアルバイトの男の子がトラックを運転してくれていた。
先輩に荷解きの練習がてら手伝ってこい!なんて言われたらしく一人さみしい荷解きを手伝ってくれることになり、荷物も少ないこともありこの人と二人だけで今日は一日一緒にいることになっていた。
「東京のアパートまでー…後1時間ってところですかね…」
「まだまだ先が長いっすね。あ、そういえばさっきドリンク買ってきたんでよかったらどうぞお姉さんも」
「わあ、ありがとうございます」
気さくなこの男性はツナミくんという名前だった。
互いに自己紹介なんかしてトラックの中で話はとても盛り上がった。
*****
「わあ…ここが私の新居かぁ…。景色も結構良いかも!」
「ほんとだ、素敵ですね、…それにスズさんは可愛いから7階に住むのは正解ですね」
彼は簡単に私のことを「可愛い」だなんて煽てて無邪気に笑う。そんな笑顔にこの数時間だけだったのになんだか頬が熱くなってしまうような感じがして。
一日だけで別れるなんてさみしい、なんて思ってしまう自分もいた。
「夕方ですけど、荷解き…後少しだけ頑張りましょうか!」
「そうですね、ツナミさん。…冷蔵庫はここでお願いします。って言うか一人で持てるんですかっ?」
「大丈夫っすッ…あ、ほら離れてくださいよ、危ないから。俺は大丈夫ですからッ…よっ、と…!」
「あっ、ちょっと待ってくださいッ…キャアッ!」
顔の目の前にあるのはツナミさんの顔、熱心に荷解きをしてくれているものだからおでこや鼻の頭には汗がじんわりと滲んでいるのも見えた。一瞬目があってしまうと彼の瞳に吸い込まれてしまったような、時間が永遠にと思えるほどに互いに何も言わずに見つめあってしまう。
ゴクリ、と彼の唾を飲み込む音が聞こえたかと思えば気付くとツナミさんと唇を重ねていた。
「俺…、すいませんっ…すぐ、退きますっ…っ!?ッ…」
私は立ちあがろうとするツナミさんの服の裾を摘んでいた。
「スズ…さん…?」
何も言わないまま私が彼の目を見つめている、彼の顔を近くで見るだけでドキドキと胸が煩くなっていて顔が次第に熱を帯びてくる。それほどに熱く、意識をしてしまっているようだった。
自分からまさかこんなに体が動いてしまうなんて自分でも思っていなかった。
彼はそんな私の行動を見て、少し驚いたような表情になっていたがすぐに先ほどのような爽やかな笑顔になる。
「もしかして…、スズさんも同じ事考えてます?…そうだったら…いいなあって思ってたんだけど。…俺に離れないでほしい、ってことは…そういうことですか?」
裾を掴んでいたその手にツナミさんの大きな手のひらが重なる。
私はその言葉に身を委ねるようにそのままツナミさんともう一度唇を重ねた。
*****
「っはぁ…、んっ、ああっ…」
「ふふ、スズさん…。かわいいなぁ…。こんなに乱れちゃってぇ…」
彼はそのスタミナに驚かされるほどに元気で腰を動かすことを止める事なく挿入してから動かし続けている。乱れる私の姿を嬉しそう笑いながら満足そうな顔をしている。
真面目に仕事をしていた彼からは想像もつかないほどに悪く微笑んでいてその姿にどきりとしてしまう。
「はぁっ…、スズさん。スズさん…、なんでこんなに締め付けイイんすかっ…?っ
はあ、…ッ、こんなん、俺がもう持たなっ、い…」
「はあっ、あっあっ、アァっッ…」
「や、やばいっ…、そろそろっ…駄目だスズさんっ…ッ、ああっあ!」
だらしなく喘ぐことしかできなくなっていた私はそのままツナミさんにされるがままに突かれ続けていた。
私は久しぶりの「絶頂」の味わうことに少しの恐怖も感じつつ、ツナミさんにしがみつくように首に腕を回したまま抱きしめそのまま果ててしまった。
そして目が覚めたのは次の日の朝。
まだカーテンの付けていない大きな窓からの眩しい日差しで目を覚ます。
よ横に裸のまま眠っているのは、ツナミさんだった。
部屋中段ボールだらけで、裸で寝ているツナミさんの横には引っ越し業者のロゴの入った帽子と繋ぎ服。
この状況、職場にはどう説明するんだろうか…なんて背徳感と少しの焦りも感じる。
そんな気も知らない彼はまだ呑気にすやすやと眠ったまま私の腕にからみついてきた。
Fin.
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