夫に相手にされない私が勇気を出して快楽の園を訪ねる話。

・作

あいこは、夫とセックスレスであった。満たされない惨めな自分の体を慰めてもらうために、とあるホテルの一室を訪れる。そこに一人の男性が待っていた。最初は戸惑うあいこだが、だんだんとその男性との情事にのめりこみ、自分をさらけ出していく。

ホテルのドアを開けるまで、私はドキドキしていた。踏み込んではいけない道に、入っていこうとしている自分…。

ここまで来て、怖気づく。どうしよう。やっぱり帰ろうか。ドアの前まで来たけれど、引手に手を伸ばしてはためらい、でも寂しい気持ちを思い出すとまた手をかけて…。

そうして何分過ごしただろう。後ろを通り過ぎていく人の視線も気になる。やっぱり私は夫を…。そう思って、立ち去ろうとした瞬間、ドアが開いた。部屋の中も、そこに立っている人の顔も逆光でよく見えない。

「いらっしゃい」

その人は優しく言葉をかけてきた。

「さぁ。中へ」

顔が少し見えた。鼻筋が通っていて切れ長の目。背が高く、ドアを開ける仕草、部屋へ導く仕草、すべてがスマートだ。その動作に吸い寄せられるように、私は部屋の中へ足を踏み入れた。

「私…」

3歩、4歩と部屋の中へ進んだ時、後ろでドアの閉まる音がした。その音にハッとしてると、いきなり後ろから抱きしめられた。

「!…」

突然で声も出ない。

「ありがとう。来てくれて」

彼は優しくうなじにキスをした。そして服の上から強く胸を揉みしだく。両胸をわしづかみにして強く、強く。我慢できないというふうに。

「あぁ…」

私は思わず彼の腕をつかんで動きを止め、後ろを振り返る。

「どうして?」

目が合うと彼は少し寂しそうな顔をした。その憂いた瞳に胸がキュンとなる。
しかし、彼は弱々しい口調と裏腹に、強引に唇を重ねてきた。そしてそのまま、私を抱きしめ、部屋の奥へと押し進めてベッドに倒した。

「かわいい。かわいいよ。怖がらないで。大丈夫」

優しく言いながら、彼は私の上着を脱がせ、着ていた厚めのグレーのカットソーをたくし上げ、少し冷たい手で素肌をゾクゾクと触ってくる。ブラジャーにたどり着いた手は、そこで動きを止めた。私はまともに彼の顔が見られない。

「名前は?」

「あいこ」

最初から考えていた偽名を応える。

「あいこ。可愛いね」

偽名なのを見透かしたように、彼は微笑んだ。そして再び手を動かし始める。ブラジャーの中にそっと右手の小指を滑り込ませてきた。そして、乳首をまさぐる。

「…ん」

小指の先でいつまでも乳首をもてあそぶ。グリグリと回して固くなる乳首を楽しんだり、一番感じる乳首の先を指先でつんつんとつついたり…。まさぐられて反応してしまう私を、彼は見下ろしている。私はくすぐったさと、恥ずかしさでいたたまれなくなる。

「気持ちいい?」

私は何も答えられない。ただ、乳首をいじられたまま、恥ずかしくて彼から視線を外す。

「ねぇ、気持ちいいの?」

彼の右手に力がこもった。答えずにいたから、怒らせてしまったのだろうか?今度は乳首だけでなく胸全体をわしづかみにした。思わず息をのむ。彼は乱暴にカットソーをめくりあげた。声を出す間もなく、下着の胸があらわになった。そして一気にブラジャーを押し上げる。決して豊満ではない私の胸が、彼の目の前にさらされた。

「いや…」

恥ずかしくて、彼の顔を見られない。

「乳首もかわいいね。ピンク色だ」

言ったかと思うと、彼はいきなり左の乳首を口に含んだ。

「あぁ…ぁ」

彼は舌で乳首をコロコロと転がし、吸い上げる。同時に右の胸も決して放っておかない。優しく、強く揉みしだくのを繰り返す。時々乳首をつまんでぐりぐりと刺激する。

「あぁ…もっ…と…」

彼はすべての動きをとめて、私を見る。そしてふっと満足したように笑うと、また乳首をいじり始めた。

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