催眠系動画で感じやすい体になっちゃった? (Page 4)
「へー、そんな動画あるんだ。手を叩く音ってそんな限定的な」
「眉唾だと思ってたんですけど、まさか本当に効果あったなんて…」
冷静になってさっきまでの痴態を思うと、羞恥のあまり穴があったら入りたくなった。かつてなく乱れて、なにがあそこまで感度良くしたのかと考えたら、一つしか心当たりなどない。
「プラシーボ効果とか?別のことを上書きするとか…」
「プラシーボ効果…」
言われた言葉を繰り返す。
日付はまたいでいるけど、眠くない。逆に考えれば考えるほど頭が冴えてくる。
運ばれたセミダブルサイズのベッドで逞しい腕に頭を預けている。腕枕とか贅沢だなと思う。主任と目が合うと瞼にキスが落ちる。
「上書きって例えばどんなことがいいんでしょうか?」
「イクたびに耳元で名前呼ぶとか?名前呼んだときちょっと良さそうだったから」
もうっ!と軽く胸を叩くと笑われた。ちょっとどころかかなり良かったのは秘密にしておこう。面白がって何度もやられかねない。人当たりのいい上司だなとは思っていたけれど、子供みたいな部分というか思ったよりよく笑う人だ。
「主任は声がいいから…」
頼むから今はこれで騙されて欲しい。嘘じゃないし。
「…さっきから思ってたんだけど、こんな時ぐらい主任呼びと敬語はなしで。仕事中思い出したら、その日集中できる自信ないし」
「…えっと、宏隆さんとか…?」
驚いた顔された。え、水城宏隆だよね主任のフルネームって。あれ、間違えたか?
「それでいいよ。急に呼ぶから」
「宏隆さん」
「柑奈、なぁもう一回」
大きな手が身体のラインをなぞりまた体が震える。その手を押しとどめようと口を開くとそのまま口づけられる。
「あっ、ちょっ…」
「だめ?」
甘えるようにそう聞かれてだめなんて言えるはずがない。意外にかわいいひと。
そんなことを思いながら再開されたキスに没頭した。まだ体の奥で熱が燻っている、夜明けまではまだ遠い。熱い夜はまだまだ終わりそうにない。
Fin.
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