熱に溺れて…弱った私の寂しさを埋める同僚との甘い時間

・作

朝から体調が悪く寝込んでいた。弱った私は誰かの人肌を求めていて…そんな時に同僚がお見舞いにきてくれて、彼の優しさにドキドキが止まらなくなってしまい…。キスで止められるわけもなく始まった二人の甘いひととき。

今日は朝からなんだか体が怠い…。

熱っぽい体でなんとか仕事をこなし、家に帰ればそのまま崩れるようにベッドに沈み、そして吸い込まれるように眠りについた…。

*****

『――ん…』

夢から覚めた時には部屋は真っ暗で…

暗闇の中に一人、無性に寂しさが襲った。

こんな時は誰かの温もりを感じていたい…。

そんなことを考えていた時、静かな部屋にチャイムの音が鳴り渡った。

扉の外に立っていたのは、同僚の流星。

『莉子、大丈夫?心配でお見舞いに来ちゃった』

「うん、多分、ちょっと風邪引いちゃったみたい」
 

「ごはん食べた?食欲なくても少しは食べた方がいいから。薬も飲んで」

流星が持ってきてくれたゼリーを食べて、薬を飲む。

心なしか少し身体が軽くなったような気がした。

『最近残業続いてたでしょ。しっかり食べて寝たらすぐ元気になるよ』

「ありがとう」

そんなところまで見ててくれたなんて…。

優しい彼の心遣いに、思わず愛おしさが込み上げてしまう。

流星の横顔を見つめていると、ふと視線が重なる。

気づけば私は流星に近寄り、無意識に服をギュッと握っていた。

「!?」

『流星…私…っ』

熱のせいか、上手く回らない思考回路。

ふと我に帰り、掴んでいた手をパッと離した。

『ごめんっ…』

私ってば…いくら弱ってるからって、流星はダメでしょ。

私たち、ただの同僚なんだから…

流星はダメ。絶対ダメ。

「今のはちょっとズルいんじゃない?無防備っていうか、小悪魔っていうか」

『ごめん…』

「俺、ただの同僚じゃなくなってもいいの?」

『え?…ンっ…』

戸惑う私の返事は荒々しく塞がれた唇によって止められた。

「ただの同僚だったら看病になんて来ないよ。莉子が好きだから体調悪いのだって気づいたし、心配で家まで来たんだよ」

『流星…』

「莉子も俺と同じなんだったら、次は莉子からキスして」

私だって、流星のことが…。

恋心が加速して、好きの気持ちが理性を追い越した瞬間、

自分の唇を流星のソレにそっと重ね合わせた。

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