憧れのお隣さんにハレンチな副業がバレてしまいました。
アダルトグッズのレビュー記事を書く副業をしている川崎友理(かわさきゆり)は、ひょんな事から憧れのお隣さんに仕送りの野菜をお裾分けをする事になり、玄関先で待っていてもらったはずがいつの間にか近くにいて…囁かれた言葉にカッと体中の熱が上がるのを感じた。
「ごめんなさい…荷物を部屋まで運んでもらうことになっちゃって…」
「いえいえ。こんなに大荷物を女性1人に持たせて見過ごすなんてできませんよ。部屋が隣で行く先はほぼ一緒なんですからこれくらいどうってことないです」
「森田さんはイケメンで優しくて…きっとモテモテなんでしょうね」
「否定はしません。でも、好きな人にはなかなか振り向いてもらえない不憫なタイプかもしれないですね…あはは」
こんな他愛ない会話をしているだけで私はずっとドキドキしていた。
だって会話している相手は入居したときから憧れているお隣さんの森田さんなんだから。
仕送りの野菜が入った段ボールがなかなかに重くて動けずにいたところを通りがかった森田さんが手を差し伸べてくれたのだった。
「ここまで運んでくれてありがとうございました!よかったらいくらか持っていきませんか?」
「おお、それは有難いです。遠慮なくいただきます」
「あー…野菜をいれられる袋がこの辺にはない…ので、玄関先で申し訳ないですが待っていていただけますか?」
「ええ、わかりました。ゆっくりで大丈夫ですよ」
玄関先とはいえ、この部屋に男性を入れたことに多少の背徳感を覚えつつ、そんなことを考えてしまっている自分が恥ずかしくなった。
その邪念を払拭するべく副業の仕事道具達をザッと横に避けつつ、目的のものを探すのに集中することにした。
「えっと…丈夫でキレイめな袋は無いかな」
野菜を入れるための袋1つでさえこんなに意識してしまうだなんて、私は本当に森田さんのことを心から慕っているのだと認めざるを得ない。
そして視線は自然と仕事道具へと動いた。
森田さんとの熱い夜を思い描きながら使うときが1番燃えるのだ。
「森田さん…」
玄関に居て聞こえるはずはないけれど、吐息に交じって一瞬で消えてしまいそうな声でそっと名前を呼んでみる。
「何?僕のこと呼んだ?」
「…っ、え!?」
「驚かせてごめんね。でもどうしても大人しく待っていられなかったんだ…ときどき聞こえてくる、君の甘い声を思い出したら居ても立っても居られなくて」
森田さんは言葉を紡ぎながらも距離を縮め、言い終わるころには驚いて尻もちをつき、ほぼ腰が砕けてしまっている状態の私の目の前に膝を抱えてしゃがみこんで同じ目線でふわりと微笑んだ。
どうして、玄関に居たはず…いつの間に?などと脳内はパニック状態で目の前に森田さんが居ること以外の情報はすべてシャットアウトされてしまっている。
レビューを書く