私たち、契約中にして探求中 (Page 2)

「汚いなあ」

と男はぼやくように言いながら、今度は指を膣内にねじ込んでくる。

指がぬぷぬぷと抜き差しされる。

「ううっ」

縄に拘束されて開ききった下半身は指の侵入を防げない。

2本、3本。

指が増えていく。

「あ、ああ」

内側の粘膜をこすり上げられて、私は身もだえする。

男の指は長く、しなやかで、私の感じるところをピンポイントに撫でまわし、刺激する。

「気持ちよさそうだな。指だけでもう充分って感じだな」

「あ、あう。そんな」

男は指をせわしなく動かす。

膣口をぐちぐちといじり、すこし奥の私の弱いところをこすり上げる。

「ああ!あん、あん。またイッちゃう。ごめんなさい。ああ」

ブチュブチュブチュと膣から愛液と秘肉と男の指がこすり合う音がして、耳がおかしくなりそうだ。

「あああ。いい。ああ!あああ」

私はまた容易に快感の高みに到達してしまった。

悔しくて涙があふれてくる。

ままならないからだ。

「泣くことはないだろう。依子」

男の声色が優しいものに一転する。

「だって。明人さん呆れてるでしょう。こらえ性のない淫乱な女だって」

明人さんが私の髪をなでる。

「それも依子のいいところだよ」

「嘘をつかないこと。セックスを存分に楽しむためにふたりで創意工夫すること。…結婚の前にセックスについても色々契約したけど、私何も守れてない気がするわ」

「ボディラインを崩さないようお互い努力すること。いつも身ぎれいにすること。なにより、気乗りのしない日ははっきりと断ること。きょうは気分が乗らないのかな?お姫様」

明人さんが私の脚のいましめをほどく。

私は脚を閉じてもじもじした。

「そんなわけない!そうじゃないの。ただ、私ばかりが楽しんでるみたいで申し訳なくて」

「バランスが取れてないって?」

「そう。私たち人生のパートナーであり、セックスパートナーなのに、セックスは明人さんにおまかせな感じばかりで、なにもできなくて、全然パートナーとして失格な気がするの」

結婚に際して明人さんが持ち出したのだ。

セックスはとても大事なことだからこれに関しても契約を結んでおこうと。

びっくりしたけれどとても正しいことだと思った。

けれど今はその契約の内容に見合わないような自分がいやで仕方がない。

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