片思いしていた草食系推しくんと同窓会で再会した結果 (Page 2)
気づいたのは地元を離れてからだった。
私は大分拗らせていたらしく、大学で男の子と出会っても柊くん以上の人を見つけられなかった。
だから、もしここに来ていたら話そうって決めていたんだ。
「真子ー、二次会行くでしょ?」
「え?あー…」
ちらっと向こうのテーブルを見る。
結局話せなさそうだし、二次会でチャンスを探すか…。
そう思い、二次会に行くことを決意した。
店を出て、カラオケに向かおうとしている時だった。
お手洗いに行っている美耶を待っていると、トントンと肩をたたかれた。
「新堂さん?」
「ひ、柊くん!!!」
本っ当にびっくりした。
話しかけてくれるのにもびっくりしたし、何より…。
「髪の毛、染めたんだね」
「うん、まあ」
「眼鏡もないし」
「あはは、分からなかった?」
「そんなことないけど…」
何年推していると思ってるんだ、分からないわけがなかろう。と思いつつ、あまりにも垢抜けていてびっくりした。いや、元からかっこよかったけど…。
「ねえ、ちょっと抜け出さない?」
*****
こんなことがあっていいのか。
推しと、二人でバーにいる。
20になったばっかりだし、バーなんて初めてだ。
「新堂さん、意外と呑めるんだね」
「そんなことないよ」
ほろ酔いでふわふわしている柊くんが可愛すぎて酒が進むんです!!!とは言えず。
「でも良かった、柊くんに会えた」
「え?」
「ずっと会いたかったから…」
柊くんは驚いたような表情を見せる。
「新堂さん、ちょっと呑みすぎじゃ」
「だいじょうぶ!のみすぎてなんか」
呑もうとしたのだが、上手くお酒が口に運べず、ドレスが濡れてしまう。
「あー…もうお会計しよっか」
「ごめんなさい…」
推しに拭いてもらってる…顔から火が出る…。
拭いてもらって店を出ようとしたら、脚がフラフラになっている。
「ちょっと、休む?」
真冬の繁華街で、ドレスもびしょ濡れ。
だから、しょうがない…よね?
*****
「すごい…」
初めてのラブホテル。壁も床もピンクで、天蓋付きのベッドももちろんピンクだ。
「柊くん、来たことあるー?」
「ある訳ないよ」
脚がフラフラするので柊くんに寄りかかっているが、さっきからずっと目が合わない。
「そんなかっこいいのに?」
そう聞くと、ベッドに放り出された。
「酔いすぎ」
「酔ってない!」
駄々っ子のように寝っ転がって柊くんを見る。どうやらベッドに来るつもりはないらしい。
「あっち向いてるから、ドレス脱いだら?」
「あ、そうか」
なんの疑問も持たず、柊くんの真後ろでドレスを脱ごうとしたけど…。
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