大人になって訪れた思い出の学校で。月の光が照らす教室で甘いエッチな思い出づくり。
同窓会の帰り道、何年経っても変わらないお互いを想い合う気持ちに気づいて…。あの日、あの時、あの場所で、叶わなかったことを大人になった今取り戻す。お酒の力が背中を押して積極的になってしまった2人がイケない場所でイケないことを…。加速した恋心が、数年の時を経て実る。
20歳の夜、高校の同窓会の帰り道。
帰る方向が一緒だった優輝と蘭は、お酒に酔った体を夜風で冷ましながら、ゆっくりと夜道を歩いていた。
「あの、さ…俺、今更かもしんないけど、蘭のことがずっと好きだった。今も…」
『うそ…私だって…優輝のこと3年間ずっと好きで、今だって、好き…だよ…』
卒業して時を経た今知ったお互いの気持ち。
お酒の力もあったのかもしれない。
あの頃は伝えられずにいたふたりの心が、ようやく結ばれたのだった。
歩いている内に、高校時代通っていた2人の母校へとたどり着く。
『懐かしいね。学校、入れないのかな?』
「流石に無理じゃない?でもあそこからなら…」
学生時代、生徒たちが使っていた校舎への近道である抜け穴は今も昔と変わらずだった。
そして、まるで2人を招き入れるように鍵のかかっていない校舎の扉。
「警備どうなってんだよ」
なんて笑い合いながら、夜の学校へと忍び込む。
一緒に過ごした教室は、あの頃を鮮明に思い出させてくれた。
『私の席ー!優輝がこっちだったよね』
教室の後ろの窓際の席。
隣同士で授業を受けていたあの頃。
昔話に花が咲く中、切り出したのは蘭だった。
『あのね…』
「ん?どうした?」
『今更だけどね、あの時作れなかった思い出を今から作りたいの。この学校で、あの時できなかったこと…』
「俺にできる事ならなんでもするよ」
『ん…キス、したい…』
蘭はそっと瞳を閉じた。
彼女の可愛いお願いごとを、優輝に断る理由などなかった。
蘭の華奢な肩を両手で掴み、その柔らかな唇に自らの唇を重ね合わせる。
『ん…っ』
軽い口付けはどんどん深く、互いに舌を絡ませていく。
熱い吐息を漏らしながら、求め合うようにキスを交わし続けた。
レビューを書く