噂のカッコイイバーテンダーは自然消滅した元彼。元彼は私を繋ぎ止めようと強引に迫ってきた (Page 5)
私に触れながら器用に服を脱いでいく聖司。
細身に見えたのに案外ガッシリとした肩幅や胸板。
パンツだけになった聖司が、私にぎゅっと抱きついてきた。
「やばい、嬉しくて夢みたいで、俺どうにかなりそうだ」
緊張なのか、少し汗ばんだ肌が私の肌に吸い付くように密着して、なんだかすごく心地がいい。
私の顔を見ようと顔を離した聖司が固まる。
「はっ、弥生?…ごめん、こわがらせたか?」
焦って急に私の頬を拭った聖司。
「あれ…私、ええ?」
「ごめん、こわがらせたのか?ごめん、ごめん弥生…」
涙が伝っていたことに気付き、慌てて拭う。
そして、わけも分からず流していた涙だと説明する。
「嫌で泣いたわけじゃないか…?ほんとか?」
「驚いてるけど、嫌とは思ってないよ」
「…はぁー!」
また私に倒れ込んできた聖司。
真上で脱力されたら…
「重いっ!」
「あ、ごめんごめん」
気持ちなんかまだよく分からないけど、この状況に心地良さを感じてるのは紛れもない事実で。
「そんなことより…ほら早く」
「…?」
こいつ…やるだけやって途中で忘れてる…
「ココ、早くほしいんだけど」
聖司に見せつけるように、ゆっくりとショーツを脱ぎ捨てる。
そして、大事なところを指さして、口角を上げて聖司に視線を投げた。
「いや、でもまだ解して…」
「あんだけしといて、まだお預けにするつもり?待てない。気が変わらないうちにとっとと来て」
恥ずかしいけど、本心しか言ってない。
「…っ、止まれないぞ」
「望むところ」
少し震える手で袋を破った後、根元まできちんと被せたのを確認し、すぐに聖司を抱き寄せた。
挑発するように覗き込んだ私に、息を飲んだ聖司の目付きが変わり、すぐに熱いモノが押し入ってきた。
「っ…きついっ!力、抜いて、くれっ」
「…んっ、無理…っ、絞りとってやるから」
「…んだと?」
ーーーーーギシッ、ギシッ
「んっは、ぁんっ!〜〜〜っ!っひっン!」
覚えたてのケモノのように求めてきた聖司。
でも、負けじと背中に爪を立てた私。
何度も好きだと、会いたかったと呟く聖司に、早く答えを見つけよう。待たせないように、そう思う弥生だったが、その顔が幸せそのものだったのは本人も知らない。
*****
そして、聖司はグイグイ迫る礼奈にバーで小声で伝えた。
「…礼奈さん、あいつ、弥生は今彼氏とか好きな人、いないですか?」
「いないですよ。フリーです。もしや弥生のこと…?」
「お店だから大きく言えないけど、昔付き合ってて…また会えたから、絶対に、振り向かせたいんです」
「なるほど。私もう少ししたら帰りますから、思う存分アタックしてください!」
こんなやり取りもあって聖司がチャンスを掴み取れたのだった。
Fin.
大洪水でした。
聖司 さん 2023年3月30日