10歳年下の少年野球のコーチに迫られ、久しぶりの快感に震えるシングルマザー (Page 2)
その瞬間、私と監督の間に流れていた空気が変わる。
明らかに欲望を灯した瞳をこちらに向け、監督が一歩、また一歩と私との距離を縮めてくる。
トンと背中に硬いものが触れ、自分が木の陰に追いやられていたことに気付く。
「逃げるつもりですか? それでも僕は構いませんが」
耳元で監督の声が囁く。
「健太君は補欠のままです。ねぇ、僕のこと気持ちよくしてください」
片手をついた監督から、汗の匂いがする。
先ほどまで、息子たちと一緒に、グラウンドで練習をしていたのだ。
男臭い匂いを否応なく嗅がされ、身体が一気に紅潮する。
「健太君がレギュラーに入れるかは、お母さん次第ですよ」
夏の暑さのせいでもない、身体の火照り。
私が忘れていた、欲の感覚を思い出させられ、どうしようもなくて監督をにらみつける。
「本当に…健太をレギュラーにしてくれるんでしょうね?」
少し荒くなった息を抑えることは出来ただろうか。
悟られたくなくて、キッと見つめた私に臆することもなく、監督はまた微笑みかけてくる。
よく日焼けした肌から覗く白い歯と爽やかな笑みにドキリと心臓が波打つ。
「もちろん…」
甘ったるさを引きずった声が、私の鼓膜をくすぐる。
私の願いを叶えてくれるのは、この男しかいない。
「約束、ちゃんと守ってくださいね…ん…」
監督の薄い唇に自分のそれを重ね合わせる。
久しぶりのキス。
技巧もなくただ合わせただけで、私の心臓は、破裂しそうなくらい音を立てている。
キスはどうやってするんだったっけ…
慌ただしく記憶を辿って、唇をちゅっと軽く吸ってみた。
「ん…ちゅ…」
軽く吸った唇から離れると、至近距離で監督と視線がかち合う。
もしかしたら、ずっと目を開けたままだったのかもしれない。
どきりと目を見開いた私に、監督は目を細め、また先ほどのように微笑んだ。
「思ったより、かわいいキスをするんですね」
「はぁ? んっ…」
いきなり呼吸ごと奪われる。木の幹に身体ごと押し付けられ、身動きすら取れない。
なのに口内では、監督の舌がうねうねと生き物のように動き回る。
「ん、あっ…ちょっと…んんっ…はぁっ…」
かぶりつくようなディープキスの合間に抗議の声を漏らすも、
返答はなく、代わりに舌を絡め取られる。
「ん…んん…はぁっ…んっ…」
呼吸の仕方すらままならない。
口内が監督に支配されていく。
「ん…ちゅ…はぁ…んん…」
身体から力が抜けていくのを感じる。
頭はもう真っ白で、すがるように男の逞しい背に腕を這わせた。
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