浮気したのに迫ってくる元彼をとんでもない方法で撃退した同期 (Page 2)

繁忙期も終わりが見えてきたある日、私はいつものように終電ギリギリの時間に急いで会社を出た。
会社を出て歩み始めてすぐ、誰かに手を掴まれた。

「修哉!?何なのよいきなり!離して」
「お前を待ってたんだよ。ちょっと話がある。」

修哉はとても怒っていて、今までに見た事のないその雰囲気に何も言えなくなってしまった。

手を引かれるまま着いていくと、それは以前小鳥遊に告白されたあの公園。それもだいぶ奥まで来ている。一体何の用なんだろう。

「菜乃、お前小鳥遊ともう付き合ってんのか?俺と別れてすぐ他の男とって何考えてんだよ」

どの口が言ってんだ。別れる前に他の女作ってたのはどこのどいつだ。
ブーメランがすぎるわ。

そう心の中で思うものの、修哉の雰囲気がただならぬように感じられて、腰が引けてしまっている…
話ができなさそうだし逃げたいけどこれじゃあうまく走れない…

そう考えているうちに修哉が距離を詰めていたことに気が付かなかった私は、髪を掴まれそばの木にはりつけられた。

「い、痛っ…しゅ、や…やめて…」
視界がぼやけてきた。嫌だ、この男の前で泣きたくない。
「うるせぇ。なんだよ他の男にすぐしっぽ振りやがって。気に食わねぇんだよ」

そう言って修哉が顎を掴んで顔を近づけてきた。
嫌だ、嫌だ!

「はいストップ笠野田さん!…っは、良かった、見つかって」

最近覚えた香りに包まれた瞬間、体の力が抜けて小鳥遊に体を預ける形になった。
息も切らして、温かい。走ってきてくれたんだ。

どうして見つけられたの?と思っていると…

「菜乃家まで送ろうと呼びに出たらいつも居るとこにいなくてな。電話も取らないしおかしいと思った時に、菜乃のキーケースについてるストラップが落ちてて、ここからなら人気がないのはこの公園しかないからもしかしたらって来てみたんだ」

小鳥遊には言わなくても伝わったみたい。

「んで?笠野田さんは原田さんがいますよね?今更菜乃に何の用ですか?」

何も言わない修哉。
「あー、菜乃と二股かけようってなら無駄ですよ」
「お前っ!彼氏面しやがって!」
と小鳥遊に食いかかる修哉。

なんだか、修哉がすごく滑稽に見える。
私の中で、修哉に会っても掻き乱される気持ちはもうなくなったんだ。
こんな時に気持ちが無くなったことを実感するとは。

「笠野田さん、前にも言ったじゃないですか。こんないい女がいるのに手放すなんてバカですねって」

んー、どうやら私の知らないところで2人に何かあったのね。

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