モテモテの年下彼氏に愛情確認の焦らしプレイをしたら気持ちが溢れてきた

・作

王子様みたいな見た目の年下彼氏は、女の子にモテモテ。まんざらでもなさそうな彼氏にイライラした私は、デートでホテルにお泊まりした時に愛情確認をすることに、最初は彼氏にいじわるするつもりが、私の方が焦らされちゃうなんて!

「ねえ、ミキの王子様、まーたモテてるよ」

同僚のリカに言われ、視線を向けると彼氏のジンが女子社員に囲まれている。

「別に」

本当は内心ハラハラしているけれど、問題ないという顔をしてリカを見る。

「ミキって、やきもちとか焼かないの?」

「焼かないよ。学生じゃあるまいし」

「だって、ミキの彼氏すっごいイケメンだし、会社でも王子様呼びされてるよ?心配にならない?」

「別に」

無表情のまま、返答するとリカはつまらなさそうな、だけど本当は私がやきもち焼いていることを知っているような、意味深な表情を浮かべてそばから離れていく。

ふぅ、と1つため息をつき、もう一度ジンの方を見ると彼もこちらを見ていた。

2人の関係は社内で知られているのに、ジンに言い寄ってくる女子社員は後を絶たない。

むしろ、社内恋愛をしているのだから自分にもチャンスがあるのでは?くらいに思っている様子だった。

*****

『もしもし?ミキ?なんで先に帰っちゃうの?』

仕事終わり、ジンから電話がかかってくる。

「女の子の相手で忙しいみたいだから」

『やきもち?』

「別に」

『可愛いね、そういうところ』

「電車に乗るから、切るよ」

『待って。明日のデートはちゃんと会えるんだよね?怒ってない?』

「怒ってない」

『そう?じゃあ、明日13時に迎えに行くから。お泊まり、楽しみにしてるよ』

嬉しそうな声で、ジンは電話を切る。

私達のデートは週末と決まっている。

映画を観たり、水族館に行ったり、普通のデートをした後にホテルに泊まるのが定番。

ラブホテルは少し味気ないから…と、ジンはいつも普通のホテルの部屋を取ってくれるのが、なんとなく嬉しかった。

*****

『はー。今日の映画、ちょっとハズレだったね』

ホテルの部屋に着くと、すぐにジンはペットボトルの水を飲みながら、ソファに座って今日観た映画の感想を話し始めた。

話題の恋愛映画だから、とちょっと期待しすぎたのかもしれない。

『まあ、映画はともかく。昨日不機嫌だったミキの機嫌がまだ直っていない方が僕は心配なんだけど』

姿勢を前のめりにして、向かいに座る私の方を見つめてくる。

「別に機嫌悪くないよ」

『嘘だー。口数少ないじゃん』

なんでも見透かしたような表情が、この日はなんだか癪に触った。

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