男友達に教わるホントの快感 (Page 4)
力がロクに入らない私を抱き上げて浴室に連れて行ってくれて、良く泡立てたスポンジで優しく洗ってくれた。ついでにお風呂にお湯も張ってくれた。アメニティで置いてあったバラの花びらが入ったバスソルトを入れる。いいな、コレ。バラ風呂みたいでテンション上がる。
「なんか、どっかの貴族の風呂みたいだな」
「ちょっとテンション上がる」
葛城が髪に引っかかった花びらをとってくれた。
「なぁ、花音」
「名前呼び珍しい。なに?」
「俺と付き合ってよ」
葛城は私をじっと見ていた。葛城が目をそらさないから、私も目をそらさず何も言わなかった。
「好きだよ、新人研修の時から。多分、一目惚れだったと思う。花音の前の彼氏よりうんと優しくするし、大事にするよ。俺のものになってよ」
「一時保留でいい?明日は定時で帰れると思うから、もっと雰囲気のいいレストランとかで言ってくれない?いい返事用意しとくから。始まりがここはちょっと嫌だ。何事も始まりが肝心だと思うし」
間違っても、ラブホの値段だけで決めたような部屋は嫌だ。しかも、なし崩し的に目に入ったラブホとか。そもそもキッカケがよく行く全国チェーンの居酒屋のテーブル席とか本当に何にも締まらない。
「ベッドの上ではあんなに従順で可愛かったのに、急にリアルな事言うよな」
「え、乙女チック発言だという自覚はあったんだけど。ピロートークとしては間違ってないかもだけど、告白としては微妙」
「じゃあ、ちゃんと場を整えたら、結婚前提で付き合ってくれる?」
「話が大きくなってない?」
さっきは付き合ってとは言われたけど、結婚前提とは聞いてない。いや、葛城とだったら結婚もアリよりのアリだけど。結婚前提とはまた大きく出たものだ。そこで今気が付いたかのように、鼻息荒くこんなことを言われた。
「例えば、ここがラブホのスイートなら今すぐ返事くれたの?」
「ばかっ!」
ばしゃりっとお風呂のお湯を目一杯かけてやった。やったなと倍くらいのお湯をかけられ、ばしゃばしゃとお風呂で戯れながら、触れるだけのキスをした。
Fin.
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