これも全部熱のせい (Page 6)
「熱また上がってないか?大丈夫?」
「う、うん…」
2人とも絶頂を迎えた後、私達は我に返ったかのように服を着てベッドに座った。
終わってからずっと、2人の間には気まずい空気が流れている。
「あ、あのさ…」
気まずい沈黙を破ったのは私の方からだった。
ここまでしてしまったのなら、もう何も怖いことはない。
「私、高校生の時から彰斗のこと好きだったよ。だから心配して来てくれたのすごく嬉しかったし、さっきのことも後悔してない…」
「俺も高校生の時から千咲のこと好きだったよ。好きでもないのに、こんなことしないし。ただ、お前の体のこと考えないで色々やっちゃって後悔してたというか…」
「え?だって3年生の時、私のこと女として見れるわけないって…」
「お前まだあの時のこと覚えてたの…?あれは、その…やっぱり俺も幼くて恥ずかしかったから思ってもないこと言っちゃったんだよ…。でも傷付けてごめん。時間かかっちゃったけど、俺と付き合ってくれる?」
「両思いだったのに本当に時間かかっちゃったね…。でもずっと諦めないで好きでいてよかった。こんな私だけどよろしくお願いします…!」
「じゃあ、千咲が元気になったらもう1回リベンジして、ちゃんとエッチしような!」
「もう…!そう言って今度は彰斗が風邪引いたりしてね!」
私達はこれまでと変わらない自然な雰囲気に戻ることが出来た。
しかもそれだけじゃない。
私達はやっと素直になって、付き合うことが出来たのだ。
本当になんで人間って弱ってる時は、素直になったり、甘えたり出来るんだろう。
でももし体調が悪くなったりしていなかったら、彰斗に気持ちを伝えることも出来てなかったかもしれない。
たまには素直になって、誰かに助けを求めることも大事なのかも…。
今回みたいに…ね。
Fin.
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