素直になって! (Page 2)
こうやって智春とゆっくり家で過ごすのはいつぶりだろうか?
お互いシフト制の仕事をしているため、会える回数も決して多くはない。
私は久しぶりに会えたのが嬉しくて、勢い良く智春に抱きつく。
「ちょ、ちょっと…」
「だめ?せっかく久しぶりに会えたんだからいいじゃん」
「そ、そうだけどさ…。これ買ってきたから、とりあえず冷蔵庫に入れようよ」
「はぁーい…」
私は彼の体から離れて、彼が手に持っていた紙袋を受け取る。
中身を確認してみると、そこには最近話題のケーキ屋のロゴが入った袋が入っていた。
彼はどうやら手土産に私が好きなシュークリームを買ってきてくれたようだ。
私は彼のこんな風にいつも私のために考えて行動してくれたり、思いやりがある所が大好きだった。
「シュークリームありがとう!あとで一緒に食べようね!楽しみ!」
「美冬は本当にシュークリームが好きだよね」
「うん!大好き!とりあえずお茶出すから座ってて!」
「うん、ありがとう」
私は冷えた麦茶をグラスに注ぎ、テーブルに運ぶ。
そして私達はお茶を飲みながら他愛もない話をし始めた。
*****
「あのさ…。ちょっと真面目な話をしてもいい?」
しばらく経ち、タイミングを見計らってから私は話を切り出した。
「うん?どうしたの?」
「ずっとね…気になってたことがあって…」
「うん…」
「智春は私のこと好き…?いつも智春は気持ちを伝えてくれないからすごく不安で…。今まで1回も好きとか言われたことないし…」
「嫌いなわけないじゃん!」
「それにエッチの時も私が触ろうとすると嫌がるというか、避けるし…」
「それは…。ごめん。ちゃんと美冬のこと好きだよ。今まで言ってなかったのは本当にごめん。言い訳じゃないけど俺、すごく口下手で…。エッチの時も避けてたんじゃなくて、人より感じやすいから恥ずかしくて…」
「そうだったんだ…。じゃあ、触られるのも嫌なわけじゃないの…?」
「当たり前じゃん」
良かった…。
やっぱりちゃんと言葉で伝えてもらうだけで全然違う。
彼の言葉がジーンと胸の奥深くまで沁みてくる…。
私はなんだか口下手で感じやすい彼のことが可愛く見えてきた。
そして今まで以上に愛おしく…。
「もー!なら早く言ってよ!」
「言えないからこうなったんだよ… 」
「確かに…。ねぇ、これからは私の前では思ったことも、してほしいことも遠慮なく言ってほしいな…」
「うん…。そうするよ」
「さっき好きって言ってくれたのが嬉しくて…なんだかイチャイチャしたくなっちゃった!だめ…?」
「ううん、ダメじゃないよ」
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