素直になって!
彼氏の智春は、付き合って半年が経とうとしているのに全然好きと言ってくれない。エッチの時も私から触れようとしても嫌がられてしまう。そんな彼の態度に私はどんどんと不安を募らせていた。どうしても彼に素直になってほしい…。そして私はもっと愛を感じたいと思うのだった。
私の彼は不器用で、全然素直じゃない。
付き合ってもうすぐ半年になるのに、これまで彼から好きだなんて言われたこともなかった。
それだけでなく、普段から自分の気持ちを言葉にしてくれることは殆どなかった。
好きと言われたこともないのに、どうして付き合ったのかって?
確かに告白の時も「好き」とは言ってくれなかった。
でも彼は、顔を真っ赤にしながら「俺と付き合ってくれ」って言ってくれたのだ。
それだけで彼の気持ちは、充分過ぎるほど私に伝わってきた。
でも正直、言葉にしてくれないと相手がどんなことを望んでいるのかも分からない。
してほしいこと、されたら嬉しいこと…。
もう少し彼の気持ちが分かったらいいのに…。
エッチの時だってそうだ。
彼は私のことを気持ち良くしようとしてくれるけど、私がしようとした時は必ずと言っていいほど拒んでくる。
元々触られたりするのがあまり好きではないのか…。
はたまた私が下手だからなのか…。
この状態のまま一緒に居たら、私はどんどん自信を無くしてしまいそうだ。
彼がもう少し素直になってくれたら…。
でも、一体どうしたら素直になってくれるのか…。
私はひたすら考えていた。
*****
あれから私は、どうしたら彼を素直にさせることができるのか考えてみたのた。
考えてみたものの、やっぱり行動あるのみ…。
私が不安になってしまうということをちゃんと伝えて、もっと気持ちを言葉にしてほしいって言ってみたら分かってくれるかもしれない。
そう思うと、私達は付き合ってから今まで1度も喧嘩もしたことなければ、改めて話し合いなんかもしたことがなかった。
これからも一緒に居たいと思う相手だったらちゃんと不満や不安を伝えて、一緒に解決していく方がいいだろう。
丁度今日はお互いの休みが被ったため、一緒に過ごす約束をしていた。
天気も雨模様だし、今日は私の家でゆっくり話をしてみることにしよう…。
ピンポーン
部屋を軽く片付けていると、家のインターホンが鳴り響いた。
訪問者が誰なのか確認してみると、そこには彼氏の智春が立っているのが見えた。
私は小走りで玄関まで向かうと、急いでドアを開けた。
「はーい!いらっしゃい!」
「お邪魔します」
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