通話で想像しながら (Page 2)

「んん~…んん」

(こんな事、最近出来てないもん…)

神経が集中し始めると、急にスマホから通知音が鳴った。

ビックリしてみると、貴明の表示。

(イキそうだったのに…)

「もしもーし!やっと落ち着いたよ~」

ちょっと不機嫌になりながら通話ボタンを押すと、聞こえてくるのは貴明の能天気な声だった。

「ん、お疲れ様ぁ…遅かったねぇ」

平静を装い話し始めたが、若干息が荒いのは自分でも分かっていた。

「うん、ちょっとトラブルが重なって…こんな時間になっちゃった…涼花は何してた?」

「んと~、漫画…読んでたぁ…かなぁ?」

ふ~ん、と返答が来たのでバレてない事に少し安堵した。

息を整える為にふ~っと空気を抜き、何を話そうかな~っと考えていると彼が口を開いた。

「…でもさ…息、荒いよ?エッチぃ声してるし?なぁにしてたの?」

「え…?」

「バレないとでも思ったの?こんなに毎日話してるのに?」

思いがけない指摘に息をのんでしまう。

「それで…欲求不満は解消された?涼花…」

「…えっと…いや、あの…」

しどろもどろの返答に、彼は畳みかける様に質問してきた。

「自分だけ、ズルいよね~…。ねぇ、俺の事、考えてしてくれたの?どんな事されるのを想像してた?」

落ち着いた口調なのに、声はいつもより強い気がする。

「俺だってしたいんだよ?もう何か月触れてないんだよ…涼花のそんな声聞いたら…余計にしたくなっちゃうじゃん」

段々と切なくなっていく彼の声に若干の吐息が混じる。

「一人で気持ちよくなっちゃって…どんなことを想像して、どんな風にいじったの?教えて?」

いつもと違う雰囲気の彼に答えなきゃいけないっと言葉を紡いだ。

「えっと…貴明と…してる…時を考えて…少しだけ…」

「そうなんだ…俺に何された時のこと考えた?」

彼の声に感化されたのか、また蜜部が濡れてきたのが分かる。
自然と手が伸びていた。

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