垂れ目の彼は、カワイイ年下クン (Page 5)
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「誰だったの?」
「え?」
「電話の相手」
ぼんやりうとうとしながら、彼の腕枕の上でチラリと見たら、ぽかんとした顔。
ああ、また目が垂れちゃってる。
かわいいこと…。
「楽しみにしてるって、笑ってたから…」
「ん?…ああ、あれか。姉ちゃんです」
「へ?」
今度は私がぽかんとする番。
「姉ちゃんと姪っ子が今度上京してくるって言うから、色々連れてけって約束させられてて」
「…」
思わず目をつむってしまった。
まさか見当違いもいいところの嫉妬をしていただなんて…。
「もしかして、だから帰るって言い出したんですか?…まさか嫉妬してくれたの?」
「そーよ」
恥ずかしいったらないわ。全く。
「へへ、嬉し…」
やだ、もっと垂れ目になってるわ。
「結衣さんいっつも俺より大人だからさぁ、まさかそういう風に俺のこと思ってくれてたなんて」
「そりゃ君より年上だもの」
「エッチの時だって余裕そうだし…、あ、でも今日は」
「こらっ」
ばふっと枕を押し付けた。
「あんなにきゃあきゃあ言ってくれて、もっと、とか」
「やめてよ!」
「いっぱいして、とか甘えてくれて」
「やめてってばこのっ!」
ニヤニヤ笑っちゃってくれてる口を手のひらで塞ごうとしたら、逆に掴まれてしまった。
「な、何よ?」
指先まで伸ばしてまじまじと眺めると、チュッと手のひらにキスしてきた。
首を傾げた私を見て、また目尻を垂らす。
「良かった、痕になってなくて」
Fin.
最高でした…
作者ファンです。男の子の気遣いが素敵で心情描写も多くお話に入り込んで終始ドキドキしてました。
次のお話を楽しみにしています。
りゅな さん 2021年6月16日