一回り以上も年が違う彼に、自分自身を好きでいる事の幸せを教えてもらった──。
2人が出会ったのは、病院の中庭、朱色に色づく花を咲かせたザクロの木の前。
病院で働く朱寿乃(すずの)はリハビリに通院する高校生の榴(りゅう)と出会う。この出会いがなければお互いに傷つく事はなかった。
でもきっと、自分を好きになれる事もなかった。朱寿乃は下に6人の兄妹がいる大家族の長女。
大家族と言えば聞こえはいいがこれは両親が大喧嘩の度に“仲直り”を繰り返した結果で、そうすることで夫婦は今にも千切れそうな愛情をいびつな形で引き延ばしていたように思う。
その証拠に母親はいつしか心を憔悴させ、夫と7人の子供たちを残し家を出てしまったのだ。それからは否応なしに朱寿乃は兄妹達の母親代わりとなり、兄妹達が皆結婚した今でもずっと誰かに尽くす人生を送っている。
そろそろ自分の幸せを考えても…と言われても、どの兄妹よりも長く両親の姿を見ていた朱寿乃にとって、
人並みに恋人を作り、結婚し、子供を持つことで得られる幸せなど想像できるはずもなかった。しかしそんな朱寿乃の人生観は榴との出会いで大きく動かされる―――。
榴のリハビリを担当することになった朱寿乃は、明るい笑顔でなつく榴にまるで弟を相手にしている時のような安らぎを感じていた。
そしてある時本人から聞いた家族との心の距離の話に痛いほどの共感を感じてからというもの、
朱寿乃は抱いてはいけない感情が芽生え、リハビリの日数が経つにつれ気持ちは大きく膨らんでいく。リハビリという名目で会う間柄、特定の環境下で生まれる錯覚、一回りも違う年の差……。
いくつもの理由を自分自身に言い聞かせ、この感情に蓋をした。蓋をするべきだと思った。――好きになったらダメなのに…!
誰かのために尽さなければ、人に認めてもらえる人間でいなければと凝り固まった朱寿乃の呪いとも言える価値観は、
榴と恋人として付き合うことで少しづつほぐされ温かいものに変わっていた。
忌み嫌っていた“仲良し”行為も、これまでになく幸せに満たされる事なのだと知り、会うたびに何度も求めあった。自分の中で何かが変わり始めている。
引用元:DLsite
そう朱寿乃自身も自覚しはじめ、榴との幸せが日常へとなりはじめた頃…… 再び朱寿乃の人生観に影を落とす、衝撃の事実を知らされる……。
作品名 | 好きになったらダメ、なのに-年の離れたおねえさん- |
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作者 | 武者サブ |
サークル | 武者サブ【むしゃぶる】 |
ジャンル | ロマンス・シリアス・歳の差 純愛・中出し・近親もの |
評価 | (4.96) |
レビュー数 | 3件(2024年11月時点) |
配信開始日 | 2024年11月06日 |
引用元:DLsite
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