普通のマッサージ店だと思ったら性感帯マッサージだった

・作

日々の疲れを癒すべく、大人気のマッサージ店を予約。シャワーを浴びたりバスローブに着替えたりと、謎の行程に首を傾げながらも施術に入る。初めこそ普通のマッサージだったのだが、徐々に際どいところを触られて…初めての性感帯マッサージに心身ともに解放されていく。

指定されたバスローブに身を包み、雪菜はベッドに座った。

ここは連日予約で埋め尽くされているマッサージ店。

マッサージ店というもの自体初めてだったが、そこまで人気ならと同僚に教えてもらった次の日には予約をしていた。

それでも予約が取れたのは一ヶ月先なのだが。

「失礼します」

「あ、はい!」

ノックの音と共にドアの向こうから声がかけられる。

返事をすれば、中に入ってきたのは二十代半ばくらいの好青年だった。

彼はゴールデンレトリバーのような人懐っこい笑みを向けると膝をつき、ベッドに腰掛ける雪菜と目線を合わせた。

「今回担当となりました、辻野と申します! よろしくお願いします!」

「よ、よろしくお願いします…」

若干辻野の明るさに気圧されながらも会釈をする。

彼はカルテを取り出すと、ペンを取り出し問診を始めた。

「杉村雪菜さんでお間違いありませんか?」

「はい…」

「どこか気になるところはありますか?」

「えっと、最近背中のこりがひどくて…そこを重視してほしいと、思っていて…」

「なるほど!」

すらすらとペンを進める。

こちらからは何を書いているのかよく見えないが、いくつか項目を丸つけているもがわかった。

辻野がチラリとこちらを見る。

「それじゃあ、割合はどうします?」

「わ、割合…? えっと…おすすめ、って大丈夫…ですか…?」

「はい! もちろんです!」

ペンを進める辻野をよそに雪菜は首を傾げる。

割合とはなんのことなのか。

そもそもバスローブに着替える前もシャワーを浴びる必要があった。

マッサージをされたことがないためこれが普通なのだろうか。

割合、というものもなにかのコースなのだろう。

「それじゃあ施術をはじめます! うつ伏せになっていただけますか?」

「わかりました」

促されるままベッドにうつ伏せになった。

「背中触りますねー」

辻野はそう言うと雪菜の背中に触れた。

グググっと背中を押され、タイミングに合わせて息を吐く。

日々の疲れが吐き出されていくようで、雪菜は徐々に緊張が解けていった。

手のひらで押される体温が心地よい。

体重のかけ方がうまいのだろう、揉みほぐされていく体にだらしなくも声が漏れた。

「気持ちいですか?」

「あっ、すみませんつい…」

「いえいえ! お気になさらず!」

辻野は笑顔で応えるも、雪菜は恥ずかしそうに顔を隠した。

背中を撫でられリンパの巡りを促す。

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