痴漢に1ヶ月開発されていました
1ヶ月前から続く、電車内での痴漢。服の上から触ってくるだけで、我慢していれば良いと思っていた。しかし、1ヶ月目の今日、痴漢は初めて服の中に手を入れてくる。抵抗するが、体はもう開発されていて…。きっと、もうこの男からは、逃れられない。
電車に揺られる菜月の心臓は、はち切れそうに大きく鼓動していた。
彼女は、この1ヶ月の間、電車で痴漢に遭っていたからだ。いつも後ろから近づいてくるため、顔は分からなかった。
日に日に、痴漢の行動は大胆になっていた。
最初は、後ろに立つだけだった。次の日に、電車の揺れに合わせて、事故のように手が体に触れた。また次の日は、スルリと背筋をなぞるように、服の上から手が這った。そうしてついに、昨日は服の中に手を入れてきたのだ。
*****
今日も、男は菜月の後ろに立っていた。ドアの窓に反射した人影に、菜月は肩をこわばらせる。しかし、菜月は動かない。ドアの横のポールを強く握り、菜月はそこに立っていた。
手が体に触れたその時、菜月は、初めて男に声をかけた。
「やめてください…!これ以上は…!」
小さな声で、男に訴えると、男の手が止まった。
しかし、それは一瞬のことだった。
男は興奮したように、服の中に手を突っ込み、胸の突起を摘む。
「やっ…!やめてくださ…ぁ…!」
「可愛い声。感じると、そんな声出すんだ」
初めて男は口を開いた。甘ったるい、若い男の声だった。逃げないように脚の間に入れられた男の脚に、菜月は体を震わせた。太ももに、男の脚が擦れ、思わず脚を閉じて動きを止める。すると、男はますます興奮したように早口になる。
「太もも、ちょっと擦れただけで、震えるほどキモチイイんだ?ふふっ、嬉しいな。ね、これは?」
男は菜月の背筋を、すうっと撫で上げた。
柔らかい布地が滑る感覚に、菜月は思わず口を押さえる。
「っ…!?」
「キモチイイでしょ?この1ヶ月、丁寧に丁寧に開発したからね。背中、太もも、指、首筋…実は自分でも気づいてたんじゃない?着替えの時とか…ね?」
菜月は、耳まで赤くなった。
「かわいい…。あ~むっ」
「ひゃっ…!」
男は菜月の耳を口に含んだ。
その時、電車がトンネルに入り、ドアの窓の反射が鮮明になる。黒い髪に、整った顔立ち、そして、耳を貫通するインダストリアルピアスに、菜月は目を見開く。
「ぁ…お客様…?」
男は、菜月のバイト先であるカフェの常連客だった。
数ヶ月前から、ほとんど毎日店に来ていた男性。菜月のシフト中は、ずっと席に座り、パソコンを開いていた。50席ある大きめの店内で、仕事や勉強をする客も多かったため、菜月が気にとめることは無かった。
「覚えててくれたんだ。嬉しい…。菜月ちゃんに会いたくて、でもお仕事中に話しかけたら迷惑かなって…だからね?」
男は菜月のスカートの中に、ゆっくりと手を滑らせる。下着の上から、チュクチュクと水音が聞こえていた。
「だからね…一番近くに居られるのは、どこかなぁって。近づいても菜月ちゃん逃げないし…嫌じゃなかった、ってことだよね?」
「そんなこと…!」
「ウソ。だって、時間も車両も、全然変えなかったじゃん。ホントは、こういうこと、好きでしょ?」
「ちが…ちがくて…あっ…!」
男の指が、クリトリスに触れる。
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