どっちが好きなの?
玲央と大河は小さいころから隣の家に住んでいる双子の大学生の兄弟で、時々今でもお互いの家に通う程仲が良い。少し歳は離れているが、幼馴染で仲良く遊んでいたことから半分恋人のような関係になっていた。そんなある日、二人の家を訪ねると――?
「あ、玲央君に大河君。朝から早いね、おはよう」
「姉さんも早いね。おはよー。俺野球部の朝練だからさ」
玲央君は背中にバットを抱え、ユニフォーム姿でその場で駆け足をしながら答える。
「俺も朝からサッカーの練習だよ。はー…」
大河君は少し眠そうにしながらそう返した。
二人は双子で、今年大学三年生。見ただけだと見分けがつかない!と言われがちだが、性格や好みがなんとなく違うのですぐにわかる。
それがなくても、昔からくっついてこられて三人で遊ぶことが多かったから、わかるんだけどね。
*****
「ねーちゃん!遊んで!」
「おれもおれも!」
子供のころ、二人はよく親御さんが仕事でいないために私の家に預けられることがあった。
そのため、一緒に遊ぶ機会が多かったのだ。
「いいよ、何したい?」
「サッカー!」
「野球!」
何をして遊びたいか聞くと、いつも二人は違う回答をする。
そこからいつも二人で「サッカー!」「野球!」と言い合いになるので、
いつも私が間に入って「じゃあ、今日はこっちをしよっか」と言って三人で遊んだものだ。
*****
そんなことがあったので、三人で一緒に何かすることは今でも多かった。
二人ともすごくかっこいいから、ちょっと恥ずかしいんだけれどね。
「あ、そうだ。今日うち親いないから、よかったら姉さん夕飯食べに来ない?」
大河くんが私にそう声をかけてくる。
二人は両親が家にいないとき、部活が早く終わるほうが夕飯の準備をしている。
私が院生になってからは親も毎日ご飯を作ってくれなくなったことを知っていて、一緒に夕飯に誘われる機会も増えた。
(今日も家に夕飯ないだろうし、あやかっちゃおう)
内心そう思いながら、私は「じゃ、お願いしちゃおっかな」と笑った。
二人は「やった」とハモったのち、時間を確認すると慌てた様子になる。
練習の時間が近いんだろう。
「じゃ!また後でねー!」と二人とも声を上げると、大学の方へと駆けていった。
*****
「おじゃまします」
二人の家にお邪魔すると、今日は大河君が夕飯の担当だったようで、エプロン姿で机に食事を並べていた。
「姉さん家でよく食べたから、いつも姉さんが来るときは肉じゃがにしちゃうんだよね」
にこにこと笑いながら大皿に盛られた肉じゃがを配膳し終わると、
「ただいま!メシ!」と玲央君が帰ってきた。
食事を終え、「明日暇なんでしょ?課題教えてよ」と二人に誘われる。
二人ともテストが近いとのこと。
「任せときなさい」
そう言って二人の部屋に向かった。
弟が可愛い!
二人とも可愛くって私も取り愛されたくなっちゃいました…!!かわいい!
ゆきの さん 2021年9月27日