だから、今からお前を寝取る
『恋の賞味期限は3年』その言葉に不安になった菜々は、イケメン彼氏の春樹の心を繋ぎ止めるために、内緒でアナルを開発しようとする。しかし、大人のおもちゃで慣らしているところを春樹に見られてしまい、何故か浮気をしていると勘違いされてしまって…?突然の寝取る宣言をされてしまう!
「はぁ、ひぅ…や、あっ、」
菜々のアナルからはローションがとろーっとたれ、毒々しいピンク色のバイブがブブブ…と無機質な音を立てている。
「うっ、あぁっ―――――!!!」菜々は未知の快感に背筋を震わせた。
*****
目抜き通りを見渡せるオープンカフェで、菜々と結衣はケーキをつつきつつ和やかにお茶をしていた。
「菜々ってイケメンと付き合ってるワケじゃん?」
「なによ?いきなり」
「飽きられてどっか行かれたら〜〜とか不安になったりしないの?実際イケメン狙いのライバルいっぱいいるっしょ」
「…別に、考えたこともないよ…」
結衣と別れた帰り道、電車に揺られながらぼんやりと車窓を見る。
(考えたことあるに決まってるよ…)
菜々はあの時嘘をついた。本当は飽きられないか、捨てられないか、不安で不安で仕方がない。
同棲を初めて1年が過ぎようとしている。愛しさは募り、今や春樹無しの生活など考えられなくなっている。喧嘩をしても、いつだって折れるのは春樹の方だ。眉を下げて、例え菜々の方が悪くとも「傷付けてごめん」と謝ってくる。沢山の愛をくれる春樹に菜々なりにめいっぱい応えてきたつもりだ。
「恋の賞味期限って、3年って言うじゃん」
結衣との会話が頭の中で繰り返される。春樹と恋人になってから、もうすぐ3年目の記念日を迎えようとしている。
考え過ぎたせいで乗り過ごしてしまったし、歩く速度もノロノロとしたものになっていたせいで帰るのが少し遅くなってしまった。
*****
マンションのエントランスに、丁度春樹がいた。声をかけると、黒い切れ長の目がやさしく細まる。
「今日は遅くなるんじゃなかったの?」
菜々がオートロックのカードキーを自動ドアにかざしながら尋ねる。
「珍しく定時に終わったんだ、だから菜々に早く会いたくて急いで帰ってきた」
春樹はそう言って、菜々の細腰にぎゅうと腕を回し、肩に顔を乗せてきた。ふふん、と得意気に笑ったせいでむにゅっと潰れた頬がよりむにむにと歪む。
(うっ、可愛い!!)
いつもは男前でかっこいい春樹なのに、菜々といる時は甘えん坊になるのが可愛くて仕方がない。母性本能がきゅんきゅん刺激されて、サラサラの髪の毛を梳(す)くように撫でた。
「ほら、汗かいたでしょ。先にシャワー浴びちゃいなよ」
春樹にバレないよう、努めて平静を装う。潤んだ視界はギュッと顔を寄せてこぼれ落ちないように、菜々は絶対に春樹を失ってたまるかと、決意をした。
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