普通のマッサージ店だと思ったら性感帯マッサージだった (Page 2)
そのまま腰を押され、尻をほぐされる。
お尻を触られるのは少し恥ずかしかったが、人肌の暖かさと暖かくなる体に身を許した。
しかし、尻の際どいところを触られるのは少しだけドキリとした。
これはマッサージだと言い聞かせながら緊張を覆い隠す。
けれど押し上げるように尻を持ち上げられ、指が布越しに秘部へ触れた。
「あ、あの…!」
「それじゃあ仰向けになっていただけますか?」
「えっ…あ、はい…」
なにも言えぬままおずおずと仰向けになる。
体勢を変えたせいで辻野が視界に入る。
先ほどのこともあって少し恥ずかしい。
なるべく平然を装いながら顔を逸らした。
「じゃあバスローブとりますねー」
「えっ!?」
慌てる暇もなくバスローブの紐を解かれる。
「あっ、いやあの…!」
「はい?」
「な、なにするんですか…?!」
「カウンターで説明受けませんでしたか?」
驚いているのは何もこちらだけではないようだった。
確かに、カウンターで何か説明を受けた気もするが、正直緊張していてほとんど聞いていなかった。
シャワーを浴びることが大切だとか、料金のこと、初めてのマッサージへの期待で頭が目一杯だった
辻野は説明を行ったことに謝罪すると、一度距離をとって口を開いた。
「えっと、これから性感帯マッサージをします!」
「せ、性感帯…!?」
「はい、初めは外側に触れて快楽を促します。そのあと中もほぐしますが、絶頂することが目的ではありません。リラックスすること、日頃の疲れを癒すことを目的としております」
日頃の疲れ、という単語に胸が惹かれる。
現在恋人はおらず、性感帯への刺激もご無沙汰だった。
たまらず一人で慰めることはあれど、自分がやるか他人がやるかでは大きな差がある。
「もちろん、まだ緊張してしまうようであれば、今回は性感帯マッサージはなしにすることも可能ですが…いかがなさいますか?」
辻野の申し訳なさそうな表情にこちらまで申し訳なくなってくる。
雪菜はしばらく逡巡したのち、緊張した面持ちで彼を見上げた。
「…お、お願いします」
そう言うと辻野はパァっと顔を明るくさせた。
その笑顔に緊張も和らぎ安心感に包まれる。
しかし再度寝転がり、バスローブに手をかけられた瞬間、先ほどまでの安心はどこへやら、再び緊張で胸が張り裂けそうになった。
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