君とピアス
葵は年上の元看護師真琴にバーで逆ナンパされて、ラブホテルに連れ込まれる。真琴は長年の不倫の果てすべてを失って、再起するために若い青年の葵をナンパしたのだと言う。手始めにピアスの穴を開ける手伝いをさせられる葵だった。葵と真琴は上手くいくのか---。
「十年真面目に看護師をやって来たらピアスの穴が潰れちゃった」
そう言って真琴は耳をかき上げた。
ピアスをしていたところは小さなくぼみになっていて確かにふさがっているようだ。
「大学卒業して就職してわき目もふらず…我ながら頑張ってきたと思うの」
彼女は僕にピアッサーを手渡した。
「まあその間に医者と不倫なんかして、元気よね私も。で、ばれて訴えられて…。病院もやめて。あーばかだ私。でもすっきりしちゃった。さあやってちょうだい」
かき上げた髪から見える耳たぶを指でつついて、僕にピアッシングを促す。
「ピアス開けると運気が変わるって言うじゃない。サクッとやってよ。葵君」
バーで飲んでたら年上のきれいなお姉さんにナンパされて、僕は今、ラブホテルの一室、ベッドの上でピアッサーをに握っている。
ナンパをする女なんて訳アリに決まっているのだが真琴さんはとりあえず手っ取り早い方法で色々吹っ切りたい、なにもかもチャラにしたい、そういう理由のようだ。
「いいけど、痛くない?」
「耳は痛覚がにぶいのよ。さあやって。貫通させて」
「これ貫通させたら真琴さんのことも貫通させてくれるの?」
僕がそう言うと、真琴さんは目を大きく見開いた。
それからニカッと笑った。
「おとなしそうな顔して言うねえ。ただのきれいな男の子かと思ってたのに。いいじゃん。いいよ。たっぷり好きに貫通させてあげる」
僕はコクンとうなずいて、ピアッサーを真琴さんの耳に当てた。
バチンッ。
バネの音がして、真琴さんの耳にピアスが突き刺さった。
「ク---。ジーンとする」
「痛くないの?ホントに」
「葵君耳未貫通だからわかんないかー。ちょっと痛いけどすっきりするのよこれが。学生の頃は開けすぎて教授に怒られたくらいピアス穴空けてたわ。じゃあ次、もう片方の耳。左右のバランスずれないようにね」
言われるままにバチッ。
真琴さんのもう一方の耳にも穴を開けた。
「ふうー。すっきりしたー」
「じゃあ、僕もすっきりさせてよ」
僕は用なしになったピアッサーをベッドに投げ捨てて、真琴さんににじり寄った。
なにせ、真琴さんは格別美人だし、それに服越しに見える胸も立派なもので、僕はもう我慢がならなかった。
「きれいな子に鼻息荒く迫られるのって悪くないものね。いいよ。しよっか」
真琴さんは腰元のリボンをほどいて、ワンピースを脱ぎ始めた。
僕もそれに合わせてシャツを脱ぐ。
ペニスがもうすでに痛いぐらいに張ってると知ったら真琴さんはどうするだろう。
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