欲求不満の私を満たしてくれたのは
20歳を過ぎ合コンに参加してもこれだという出会いに恵まれず、持て余した体を一人で慰める和華。そんなある日、地方の大学に進学した幼馴染の貴斗が長期休暇で遊びに来た。その貴斗に隠していたはずの、こっそり買ったバイブが見つかってしまった。未使用なのもバレ、使ってみる?と言い出され…
「あっ、んんぅっ!」
ベッドのスプリングが少し軋む。薄暗い部屋のベッドの上で胸を揉みながら、秘部を指先で擦る。蜜でどろどろになったそこはふわふわと溶そうなぐらいにほぐれている。
とめどなく溢れる蜜を指先でたっぷりと掬ってクリに塗りたくる。擦るたびに痺れるような感覚が体中を駆け抜ける。
「んんっ!」
絶頂感で震える身体。指を離すと透明な蜜が糸を引いている。ティッシュで拭って、ため息を吐いた。
大学に進学して、20歳になるとともに飲みに誘われることもあり、合コンにも参加したことがある。もとから人数合わせということもあったからか、いいなと思う人とは出会えず。
大学だって共学だし、バイト先だっていくらだって出会いがあるはずなのに、なかなかどうしてぴんとこない。大学はいろんな人がいるから一概には言えないけど、バイト先の人たちはいい人ばかりだ。でも、恋愛となるとまた別で。
何回か告られて、付き合ってるうちに好きになるのもありかと思った。しかし、結局は好きにはなれず長く続いた試しがない。
それでも生理が近くなるとどうしても体が疼き、寝る前に自慰をして体鎮めて眠る。
自分の細い指では足りなくて、買ったものもあるのだがモーター音が大きく、実家暮らしの身としては親がいる日は使えない。
はっきり言って欲求不満だ。
*****
「いよーっす、元気だった?」
「貴斗、帰ってきたの?」
バイトから帰ったら部屋で貴斗がマンガ読んでいた。
貴斗は家が隣の幼馴染で、中学ぐらいまでは頻繁に家の行き来があった。
高校が別だったこともあったし、部活やら何やらで時間が合わなくなって顔を合わせたら少し話す程度に。高校卒業後は地方の大学に合格した貴斗とは会わなくなってしまった。
長期休暇には2、3日帰ってきてるとはおばさんから聞いていたけど、まさかうちに来るなんて思ってもいなかった。
「どういう風の吹き回し?長期休暇だから帰ってきたのはわかるけど、私に会いに来るなんて」
「会いに来たというか、母さんがおばさんとデパート行ってそのまま晩御飯食べてくるっていうから。おばさんがうちに作り置きのおかずがあるから、温めて和華と食べてって。うちのおかずも少し持って来たけど」
「なるほど…」
まあ、そんなことだろうと思った。しかし貴斗が私の部屋に来るのは5年ぶりぐらいなのに、それを感じさせない位くつろいでいる。模様替えなんて全然してないないし、貴斗的には勝手知ったる部屋ということなのだろう。
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