雨よりも激しく愛して (Page 2)
大分冷えてた朝日奈がお風呂入った後、ご飯食べよっかというっことになった。
頑張って買い出しに行ってくれたことに感謝。保存できるフリーズドライのお味噌汁やインスタントのスープがあったのは助かった。そして電気ポットの存在。お湯を鍋で沸かすとなると時間かかるし。
「まあ、来てすぐ布団の埃払ったのは正解だったよな。ちょっと埃っぽかったし。15分くらいで慌てて取り込んだけど」
着いてすぐはちょっと埃っぽかったので、窓を開けて簡単に掃除だけはした。お風呂掃除もその一環だ。とはいっても雲行きが明らかに怪しくなってきたらから、日干しというほどの時間は取れなかったけど。
「寝袋じゃなくてベッドなのは感謝してる」
いつもは大体朝日奈が後片付けしてくれるけど、今日は私が片付け。
のんびりとテレビを見ながらソファーに並んで座る。テレビはどこも雨の話ばかりだ。
「朝日奈、髪まだ湿ってんね」
「そうか?」
「仕方ないなぁ…」
タオルで髪を拭く。ざんざんと波の音がしている。雨戸を閉めてしまったから外の様子は見えないけど、相変わらず雨は激しく雨戸を叩いている。
「はい、できた」
ぱっと手を取られ、指先からタオルが落ちた。手首に唇が寄せられる。朝日奈は私をじっと見ているから、私も目を逸らさなかった。瞳に私が映りこむ。
「千鳥」
甘く名前を呼ばれて、唇を塞がれる。ちゅっちゅと軽いキスの合間に熱い舌がぺろりと唇を舐め、私はゆっくりと口を開ける。舌を絡めて、唇が離れると舌先から銀糸が光った。
「ベッド行こ」
私の言葉に頷き、ふわりと抱え上げられた。
*****
ベッドの上でさっきより深いキスを交わす。体中が熱くって、服を脱いでいく。ばさりとシャツを脱いだ彼の身体も熱い。骨ばった大きな手が胸の形を辿り、ゆっくりと揉まれる。最初は物足りない位優しい触り方だったのに、徐々に激しくなりぴんと立った先端を擦られれる。
「んっ、あ、そんなに擦ったらぁ…、朝日奈、もっ」
「こういう時は名前で読んでっていつも言ってるじゃん。っていうか、いつもそう呼んでよ。出会ってからずっと苗字のまま」
言えるわけないじゃん、今更名前呼ぶのは照れるとか。出会ってもうだいぶ経つのに今更照れるとかおかしいのはわかってるけど、いざ呼ぼうと思うと照れの方が勝るとか言えない。
「あんっ、和臣!」
「千鳥に名前呼ばれんの好き」
愛おし気に耳元でささやかれ、ぐずぐずと理性が溶ける音がした。
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