優しい初彼氏に初めてを渡す話 (Page 2)

亜里沙は顔を真っ赤にしながら、それでも伺うようにチラリと武也を見る。

武也は少し驚いたように目を見開くが、静かに微笑むとゆっくりと顔を近づけた。

唇と唇がそっと触れ合う。

「ん」

角度を変えて何度も触れるだけの口付けを交わす。

沸騰したかのように全身が熱くなり、亜里沙は体を強張らせながらそれを受けた。

武也の舌が亜里沙の唇を舐める。

「口、開けて」

荒い呼吸のまま、亜里沙は薄く口を開ける。

武也は一度唇を撫でるとゆっくりと口付け、そのまま口内に舌を侵入させた。

舌と舌が絡み合い、お互いの唾液が混ざり合う。

なんとか応えようと舌を動かすも緊張も相まって動きが硬い。

亜里沙は息苦しさに、堪らず武也のシャツを握りしめた。

それに気づいたのか、武也はそっと口を離すと心配するように首を傾げる。

こくこくと頷けば安心したように笑い優しく抱きしめた。

そのまま亜里沙の体を持ち上げてベッドに横たえると服の下に手を滑り込ませ、地肌をするりと撫でる。

しかし、

「ああああ、あの!」

亜里沙は反射的に武也の手を掴む。

武也はきょとんとしながら顔を覗き込んだ。

「ん?嫌だった?」

「嫌ではないです、むしろいい…ああ!じゃなくて!」

亜里沙は顔を両手で隠すと、口を震わせながら言葉を紡いだ。

「あの…!私、こういうの…は、初めてで…だから、あの…な、なにか手伝えることがあったらい、いってください!なにか、こう…咥えたりするんですよね!?」

亜里沙の懸念はそこだった。

男性とお付き合いしたこともなければ、行為におよんだこともない。

なにもかもが一からで、それを面倒だとは思われるのではないか。

キスのときもそうだ。

感じるがままに真似してみたけれど、相手が気持ちよくなっているかがわからない。

下手だといってフラれないか。

疲れたといって見捨てられないか。

緊張も相まって、もはやそれらの心配は恐怖へと変わっていた。

亜里沙はいつしか涙目になっており、武也の顔を見ることはできなかった。

しかし、頭上からクスクスと静かな笑い声が聞こえる。

「教えてくれてありがとう。大丈夫、少しずつ慣れていこ」

優しい声につられ、恐る恐る見上げれば微笑む武也の顔が見えた。

それが嬉しくて恥ずかしくて、亜里沙はさらに顔を赤く染めた。

「それに、好きな子の初めてを貰えるって、すっごく嬉しい」

そういうと武也は優しく口付けを落とした。

服に侵入した手が再び動きを開始する。

腹を撫で、腰を撫で、そしてゆっくりと下着に手をかける。

亜里沙はピクリと反応するも今度は嫌がることなく、ただ熱に浮かされながら脱がされる衣類を見ていた。

あっという間にショーツ一枚にさせられ、羞恥心のあまり手で顔を覆い隠す。

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