ひたすら夏に溶ける (Page 2)

夫の手が私の乳房に触れる。

唇が離れる。

「きみは子供欲しい?」

夫はそう言いながら私の乳房をゆっくりと揉み始めた。

「欲しくない。まだ。だって」

「だって?」

夫の指が乳輪をなぞる。

夫の唇が私の乳首を挟みこむようにしてくわえる。

「だって、セックスがたのしすぎるから……。んん」

夫が顔を上げた。

「分かるよ。僕もなんだ」

それからまた私の乳首をくわえた。

すぐに乳首は夫の口内の熱で硬くなって、夫が軽く当てた歯の刺激に敏感な反応を返してくる。

ここから夫の子供に乳を与える日がいつか来るのだろうがそれはすぐには考えられない。

今はふたりの間にどんな夾雑物も混ぜたくない。

なんとも獣じみた理由だが、お互いのからだの相性が良すぎるのだ。

快楽をむさぼるセックスが楽しすぎて、本来の目的である生殖のことを考えると萎えてしまう。

これが夫と私の共通認識だ。

*****

夫の愛撫は丁寧で長い。

乳首もすっかり敏感になってしまった。

夫は私の乳首にたっぷりと唾液をつけ、指で揉みこむ。

「あ、あん。んく」

粘土をこねるように根っこから先端まで丹念に夫の指が私の乳首を愛撫する。

私は脚をもじもじさせながら、二つの胸のいただきから伝わってくる快感にもだえる。

唾液が乾いてきたら夫はまた乳首に舌を伸ばし、再び丁寧にしごいてくる。

「ああ、あ。んん。そう、好き」

私は夫の愛撫に喉を鳴らす。

「あ、あ。んん。はぁあっ」

私は胸だけでイけるようになってしまった。

汗が胸の谷間をたらりと垂れる。

セックスがもたらす熱が夏の暑さをすぐに呼び込む。

「あ、はあ、はあ」

私は夫の首に腕を回す。

その時、クーラーがプシュウと排気音を立て動作を止めた。

「なにかしら」

「ブレーカー飛んだ?停電?」

見てこようと立とうとした夫を制止して私は言った。

「どうせ汗をかくのは一緒よ。私もう我慢できない。続き、しましょう」

夫は少し目を見開くと、にっこりと笑った。

*****

「う、うう。あう。ああ」

秘肉が開かれ、舌と指での愛撫が続く。

クーラーが動かなくなってものの数分で部屋の温度は上がった。

容赦なく汗が吹き出す。

陰唇を舐める夫の舌はその外気よりも熱を帯びている。

私の膣の弱点を心得た指は私の中で巧みにうごめき、熱波の不快を忘れる悦楽を呼び覚ましてくれる。

「お、ああ。あなた。あん。んんああ」

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