大人気アイドルの甘い快感指導 (Page 5)
肌に冷たいものが触れる感覚がして、うっすらと目をあけた。
「起こしちゃった?」
「…ん?」
「あれ、まだちょっと寝ぼけてるかな?」
そこでハッと覚醒した。天野君がくすくす笑いながら、泡立てたスポンジで身体を洗ってくれていた。薔薇のようないい匂いの泡が身体を包んでいる。
「気を付けてたから、血はそこまでじゃなかったんだけど、流石にシーツは替えないとだから。ベッドメイク中にお風呂入ろうと思って」
「起こしてくれて、全然かまわなかったのに」
「身体キツイだろうし、疲れただろうから起こすのも可哀想で」
確かにあちこちが軋むように痛む。実感が全くなく、何かが変わった気もしないけど、何も変わらなかったとは思えない。天野君を見上げると、いつも通りの人懐っこい笑顔だった。サーッと温かいお湯で泡を流す。お風呂から上がると髪を乾かしてくれた。大人気アイドルに駆け出しの女優が髪を乾かしてもらうとか贅沢だなぁ。
「帰れそう?泊まっても大丈夫だよ?」
「大丈夫です、帰れ…」
カクンッと膝が折れた。腰の感覚がない。グッと脚に力を入れて立ち上がろうとして、またしてもカクリと膝が折れる。
「帰れそう?泊まっても大丈夫だよ?」
笑いながら天野君がもう一度同じことを聞く。
「泊まらせてください」
「はい、どうぞ」
ぎゅうっと天野君に抱きしめられながら寝転がる。胸がどきどきして、眠れる気がしない。
「明後日だっけ、何とかなりそう?」
「頑張ります」
「けどなあ、ヤダなぁ。あんな可愛い顔を全国の視聴者に見せるとか妬けるなあ。なんかめちゃくちゃヤキモチ妬ける」
拗ねたような顔。新しい一面が見れた気がする、なんだか微笑ましい。
「なに笑ってるの。さて、感覚忘れないうちに練習する?それとももう一回?どっちがいい?夜は長いからね」
まだ甘い快感指導は終わりそうにない。
Fin.
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