イケメンバーテンダーは口説き上手 (Page 2)

空になったグラスを下げて、新しいカクテルを作り始めた。流れるような手つきはつい見とれてしまう。

「カシスソーダでございます」

炭酸の爽快さとカシスの甘ずっぱさが絶妙だった。これも美味しい。

「これは栞さんをイメージして作りました」

「私のイメージ…?」

味も色も可愛すぎないだろうか?じっと目を見ると、にこりと微笑まれる。

「カクテル言葉とかご存知ですか?カシスソーダのカクテル言葉は『あなたは魅力的』です」

「え…?」

すごく戸惑ったような困ったような顔をしていたと思う。そんなストレートな事を言われたのは初めてで、どんな顔すればいいか分からない。社交辞令と分かってはいるけれど、私をイメージしたカクテルにそんな意味が込められてるとか。高揚、嬉しさ、困惑と色んな感情が混ざって複雑な感情が表情に出ていたと思う。

「あれ、信じてないですね?大体誰です?女捨ててるなんて言った節穴は。貴女は、栞さんはとても魅力的です。口先では何とでもいえると思うかもしれませんが、カクテルに嘘はつけません」

私は相変わらず何も言えない。ただ染みた。大したことないと言い聞かせて、ずっと気が付かないふりしていた荒んだ心に温かく染みた。

「今日はもう閉店にしましょう。どうせもうお客さんも来ないだろうし」

「え、いいの?閉店にするなら帰るけど」

「閉店は構わないんですけど、栞さんはまだ帰らないで」

ぎゅっと手を握られて、嫌なんて言えなかった。

*****

 
照明を落とした店内で、舌を絡める。今更アルコールが回ってきたのか、ふわふわと心地よい高揚感を感じる。髪をまとめていたヘアアクセを外される。

「髪おろした方が似合う。まとめてるのも凛としてて良かったけど、おろすとかわいい」

さらりと髪を撫でられる。この歳になると言われなくなっていった形容がくすぐったい。深く口づけながら、ジャケットを脱がされ、諏訪さんもバーテン服を少し着崩した。熱のこもった吐息と共にシャツのボタンを外され、露になった胸元にキスが落ちる。プツリとブラのホックを外され、カップをずり上げられる。

「あ、あんまりじっと見ないで」

視線を感じて少し身をよじり、手で胸を隠す。

「ちょっと見とれた。ほら、手どけて」

そっと手をどかされる。初めての時みたいだ。恥ずかしくてたまらない気持ち。チュッと肌に吸い付かれ、胸に紅い花が咲く。ピンと爪先で乳首を弾かれ、私は一際高く鳴く。

「あぁっ」

「痛くない?」

コクコクと頷くとそう言って、口に含まれカリッと甘く歯を立てられる。

「ああん、あっ、だめっ、ジンジンするのっ」

私の制止も聞かず、時折強く吸い、コロコロと飴玉を口で転がすみたいに舌で転がされ、空いてる方は指で捏ねられる。時折爪を立てられるように引っかかれると背中が弓なりにしなった。

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