初めての騎乗位レクチャー
いつもは優しい恋人の圭一に、やや強引に騎乗位をせがまれた遥。たまにはわがままを聞いてあげたいと拙いなりに挑戦するが、初めての体位はなかなか上手くいかない。このままじゃ満足させられない……と不安がっていたら、彼のレクチャーで身も心もトロトロに溶かされて……。
「今日は、遥が上になってくれない?」
恋人の圭一の言葉に、私は裸のままぽかんと口を開けてしまった。
「上、って……つまりその、き、きじょ……」
「騎乗位。一度やってみたいんだけど、駄目かな」
ベッドの縁に座った圭一は、コンドームの封を切りながらなんでもない風に重ねる。
「だ、駄目っていうか……そんな急に……」
「うん。だって事前にお願いしても、身構えられちゃうかと思って」
穏やかな笑顔を向けられて、ため息がこぼれた。
圭一はいつも優しいけれど、時々こういう強引なところがある。
付き合って半年。わがままの回数は決して多くないし、いつも私が聞いてもらってばかりだから、なるべく叶えてあげたいとは思うけれど。
「……騎乗位」
圭一はもちろんのこと、今までの恋人とも一度もやったことのない体位。
なんとなくは知っているものの、詳しいやり方なんて全くわからない。
それに……いつも彼にリードされてばかりの自分が上になって動くなんて、想像しただけで恥ずかしくなる。
「ね、お願い、遥」
準備を終えた圭一は、ベッドに乗り上げながら甘えるように小首を傾げた。
「もし気持ちよくなかったら、すぐやめていいから」
「……そう?」
そこまで言われては、嫌だと突っぱねるのも申し訳なくなってくる。
「……上手くできる自信、ないからね」
「大丈夫だよ。僕にとっては、遥がしてくれるってことが重要なんだ」
ありがとう、と囁いて、圭一が私を抱き締める。
さっきまで私の身体をたっぷり愛撫していた手のひらの感触に、改めて下腹部が疼いた。
パチパチパチ(拍手)
匿名 さん 2020年5月7日