貧乳コンプレックスの私は、彼氏に揉んで貰う育乳方法を試してみたくなって…

・作

貧乳コンプレックスを持つ私、日向あかりは、『最も成果の出る育乳方法は、彼氏に揉んで貰うこと!』と言うネット記事を見つけて、意を決して彼氏に胸を揉んで欲しいと頼んでみたいけど、彼氏にコンプレックスを曝け出すのがどうしても恥ずかしくて悩んでいると…。

『最も成果の出る育乳方法は、彼氏に揉んで貰うこと!』

目に飛び込んで来たネット記事に、私は思わず愕然とした。

私、日向あかりの最大のコンプレックスは、ずばり貧乳だ。

Bカップなんかそこまで気にすること無いなんて言われたりもするけれど、大学時代に人生で初めて出来た彼氏に『胸が小さくてつまらない』とフラれた事が、今でもトラウマになってしまっている。

そして、現在の大好きな彼氏、藤本斗真とは付き合って三ヶ月目なのだけど、やっぱり胸の事が気になって、エッチの時もなるべく見られたり触られたりしないようにするのに必死で、正直全然集中出来ない。

このままじゃまた、胸が原因でフラれてしまうかも…。
でもコンプレックスを曝け出す自信もないし…。

今まで色んな育乳方法やグッズを試して来ても効果が無くて悩んでたけど、まさか、彼氏に揉まれなきゃ大きくならないなんて…。
彼氏に見せたく無いから悩んでるのにそんな事…。

「あかり、大丈夫?なにか悩んでる?」

斗真の心配そうな声に、私はハッと我に返った。

「え?なんで?何も!?」

咄嗟にそう言って笑顔を見せるけど、上の空だったのはバレバレだったようで、斗真は心配そうに私を見つめている。

今日はせっかく斗真が私のマンションに遊びに来てくれていて、二人でまったりソファーで寛いでいるところだったのに、いつの間にか考え事に没頭してしまっていた。

「本当に?なんか今日ずっと元気無いし、もしかして体調悪い?」

そう言いながらおでこに手を当てられて、思わず胸がキュンとしてしまう。

「熱は無いと思うけど…。辛かったら横になっててもいいよ」

真っ直ぐな瞳で見つめながらそう言われて、優し過ぎて逆に困ってしまう。

そう思っていると、そっと髪を撫でながら微笑まれた。

「なにかあったら遠慮なく言ってね。俺に出来る事ならなんでもするから」

そう言われて、再び胸がきゅんと疼いた。

こんなに優しい彼に、バカみたいなお願いをしていいものなのだろうか。

でも、こんなに真剣に私のことを思ってくれてる彼になら、言ってみてもいいのかな。

「えぇー…、あのー、えっとね…」

「うん」

目線を泳がせながら言うべきか戸惑っている私を、斗真は真剣に見つめている。

これはもう、やっぱりなんでもないなんてはぐらかせる雰囲気じゃない。

それに、今言わないともう勇気が出ない気がする。

そう思って、意を決して口を開いた。

「あのね、その、胸を…揉んでほしいの…なんて」

恥ずかし過ぎて俯いたままそう口に出す。

斗真からの返答は無くて、テレビの音だけが部屋に響いている。

最悪だ。絶対引かれた。
もう恥ずかしくて斗真の顔が見れない。

今のなし!忘れて!と言おうとした瞬間。

「…いいの?」

そう静かに言われて、思わず心臓が跳ね上がった。

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