定時は秘密の始まりです (Page 3)
「じゃあ、頑張って」
「え、何?いたいことするの?」
「終わらない気持ちよさってやつ教えてあげる」
その言葉と共に主任の長い指がくぷりと入り込む。急な刺激にひっと軽い悲鳴が上がる。イイ所をかすめながらピンポイントの刺激がなく、上がり切らない熱が体の中に溜まっていく。
「じ、焦らさないで」
急に指が三本に増えた。急激に熱が上がる。快感の波が高くなったところで指を抜かれた。
「やだっ、もうイキたいっ!」
「俺のでイッてよ、明日香」
ぐちゅりっと主任のモノが押し付けられ、入り口を浅く出し入れする。もっともっとと腰が動く。
「焦らないの」
目じりから零れた涙をぬぐわれる。口を少し開けてキスをねだる。舌を絡めると同時に深く潜り込まれた。
「んんっ!」
深いキスに嬌声もくぐもる。ギリギリまで抜かれては深く突き上げられ、声が止まらない。イイ所を擦り上げられ、一際私は高く鳴いた。
「はあんっ、そこイイ。もっとぉ!いい、気持ちいいっ!」
「はっ、締めすぎ!」
もっともっとと貪欲に私の中はぎゅうぎゅうと主任のモノを締めつける。触れる指先も胸元にこぼれ落ちる汗も何もかもが気持ちよくておかしくなりそう。快感が頭の中を白く塗りつぶしていく。もう、何も考えられない。今まで感じたことがない位大きな波が来る。
「あっ、ああんっ、はあっ、イク!ね、一緒に…」
「俺もイク!イッて明日香」
「はあああんっ」
「くっ」
かつてない深い絶頂に意識がとぶ感覚がした。
胸に白濁がかけられる。何気なく人差し指で掬って舐めてみた。何度舐めても慣れない…。表現しがたい、苦いようなしょっぱいような何とも言えないこの味は。
「まずい…」
「そりゃそうだろ。シャワー浴びれそうか?」
「うん、浴びる」
のろのろと起き上がる。またとろっと蜜がこぼれた気がしてドキッとした。
バラの香りがするボディーソープで体を洗っている間、バスタブにお湯をためる。つかる前にアメニティにあった入浴剤を入れる。シトラスのさっぱりした香りが浴室にふんわりと広がる。
「柑橘系のいい匂いだな」
「私この香り好きだなぁ」
頬をなでられる。やっぱり主任の手は大きくて温かい。甘く触れられるとドキドキする。『仕事の鬼』がこんな甘い顔するなんて、私だけが知ってる優越感。
「私、主任の手が好きです。大きくて温かくて安心するから、もっと触れてほしくなるの」
そういうと、主任は額に手を当てて大きくため息を吐いた。
「お前は俺をどうしたいんだ?」
「どうかしてみたい」
私は悪戯っぽく笑う。軽く濡れた額にキスをすると、唇に返された。
「主任、大好きです」
「俺は愛してる」
くすくす笑いながらまたキスをした。
Fin.
あーん
読んでいて指が自然に動いて感じてしまいました
でも人の幸せは楽しいものではないですね
ゆみ さん 2022年5月11日