いつも優しい優等生彼氏。夜は好奇心旺盛な執着溺愛彼氏に…!? (Page 2)
『わ…わー!ちょっと…わ、本当?わー…よかった…』
安心したように、自分の胸を撫で下ろすミツキくん。
『そういう行為って、女性側の負担が大きいだろうし、お互いはじめてだろうし、ゆみちゃんがどう思っているかわからなかったし…正直言い出すのが不安だったんだ。でも、君も同じこと思ってくれてたんだね。嬉しいよ。』
目を細めて、私のことを見つめるミツキくんの目は本当に優しかった。
「勇気だしてくれてありがとう」
『ううん。…じゃあ、する日なんだけど…』
ミツキくん曰く、そういう行為は準備が必要だろうということで、あらかじめ日程を決めることになった。こういうところが真面目でミツキくんらしい。
*****
そして、時が流れ翌週の土曜日。約束した日。
この日までずっと課題に追われ、すっかり頭から抜けていたが、土曜日の朝になって今日はじめてミツキくんと”する”のだと意識してしまい、一気に顔が熱くなる。
下着は一軍のものを身に付け、服もお気に入りのワンピースを着る。化粧も一段と力をいれて、髪も丁寧にコテで巻き、家を出た。
待ち合わせ場所に向かう途中、ショーウインドウに映った自分をみて、少し恥ずかしくなる。なんだか気合いが入りすぎだろうか。化粧、濃すぎただろうか。
待ち合わせ場所に着くと、まだ集合時間より少し早いのに、もう既にミツキくんは到着していた。
ミツキくんは、私のことを見つけると、ぱっと笑顔を咲かせて、駆け寄ってきてくれる。
「ミツキくん!お待たせ!早くついてたんだね?」
『あー…はは、うん。早く会いたくて…って、なんか恥ずかしいよ!』
「あはは、嬉しいよ」
『もう…。…』
「?ミツキくん…?」
いつものように笑いながら話していたミツキくんは、私の顔を改めて見ると、急に黙った。まずい、今日やっぱり気合をいれすぎただろうか…と不安になる。
「あの、ミツキくん…」
『…え!な、なに!!?』
「や、急に黙ったから…その、ごめん、私の格好変かな…」
『違う!!!!!!』
突然の大声に、周囲の視線を集める。ミツキくんははっとして、恥ずかしそうに、声を抑えて続けた。
『違うよ。そんなことない。むしろ…。や、なんていうか…』
ばつが悪そうに困った顔をするミツキくん。どうやら私の格好が変という訳ではないようで安心する。しかし、なにかモゴモゴとしているミツキくんの、発言を待つことにした。
『…あのさ、相談なんだけど』
ミツキくんは、私の身長に合わせて屈み、私の耳に顔を近づけて小声で話す。
「ん?」
『今日、ショッピングいってからホテルにいく予定だったけど、もうホテル行っちゃだめ…?』
「なっ!?」
驚いた。だけど、真っ赤な顔で、そして熱っぽい視線でそう言われたら、もう断ることなんてできなかった。私は、ゆっくりと頷く。そんな私をみて、照れ臭そうに微笑んだミツキくんは、私の手をとって、少し強引に足早にホテル街に向かった。いつも私の歩幅に合わせてゆっくり歩いてくれているミツキくんのそんな行動に、余裕のなさを感じ、ドキドキしないはずもなかった。
青くさ
拝読していて
手を取り足を取り
指導したくなっちゃいました
青くさくて青春時代を思いだしてしまい
ほろ苦いです
香里 さん 2022年5月5日