俺とセックスしてみよう?飲み屋で知り合った色気漂う年上のオトコに、最高のセックスを教えてもらうはなし (Page 2)
「津田さんて、どうして独身なんですか?」
「急にどうしたの」
「モテますよね、絶対。かっこいいし、落ち着いてるし。どこからどう見ても魅力的な人だと思うんですよ」
「モテてたらこうして毎週君とここで飲んでないよ」
「まぁ、そうですよね…。じゃあ、好きな人は?」
「今日は随分思いきったこと聞くね。いつも職場の愚痴とか、休日食べ歩きしたこととかなのに。何かあった?」
何か…。何かはあるのだ。毎週こうして津田さんと飲むようになって、私の中で彼の存在は結構大きくなっていった。色っぽい話をしたことがなかったから少しは私のことを意識してくれ、という意味も込めてのものだ。
「津田さんはどんな女性を好きになるのかな、って気になって」
「そうだなぁ。あんまり結婚を意識したことがなかったんだよね。どんな女性か…よく食べてよく笑う、美味しそうにビールを飲むような子は好きだな」
その言葉にしばし固まってしまった。意識してほしいという私の気持ちがダイレクトに伝わってしまったんだろうか。いや、でも自惚れか。
よく食べて、美味しそうにビールを飲む子。それは、もしかしたら私ではなかろうか。どんな顔をしたら良いのかわからず、とりあえず俯いた。
「君は?しばらく彼氏いないって言ってたけど」
「いや、まぁ…。ちょっと、苦手なことがあって」
「苦手なこと?」
「はい…」
私は津田さんのことを男性として意識しているけど、それがもしうまくいって恋人関係になってしまうことを考えると少し怖くもあった。過去のトラウマが頭をよぎって弱腰になってしまう。
「…」
「ごめん、余計なこと聞いたね」
今日はもうお開きにしようか、と津田さんの一言に席を立った。あぁ、嫌な感じになってしまった。いっそ打ち明けてしまおうか。
私が、セックスが苦手なことを。
「津田さん」
駅までの帰り道、さっさと話してしまおうと思った。こんなモヤモヤするのは長引かせたくないし、もし彼が私を好きだとしてセックスが苦手と言ったら、津田さんは呆れてシラけてしまうだろうか。
「ん?どうした?」
「あの、さっきの話なんですけど」
「無理に言わなくていいよ」
「あ、あのちゃんと言った方がいいかなって思って」
「うん」
「その…せ、セックスが苦手なんです」
「…え?」
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