意地悪な男友達に彼氏ができるかもしれないと話をしたら急に襲われた件。

・作

会うたびに彼氏がいないことを馬鹿にしてくる男友達との宅飲み。そんな彼に彼氏ができそうだといった途端、男友達の様子がおかしい…。強引に触れてくる彼に上手く抵抗なんてできなくて。いつもの意地悪な彼からは想像もつかない愛撫に溺れてしまう…

「よぉ、真冬。いい加減彼氏できたか?」

ニタニタと笑いながら着いたばかりの私に話しかけてくる彼は、同じ大学の江藤君。

毎回会う度にそんなことを聞いてくる。

「…うるさいなぁ」

軽く睨みながら相手をすると、機嫌良さげに笑う。

「最悪俺がもらってやるよ」

「こっちから願い下げだよ」

江藤君は、顔がいいけど中身がなぁ。
私にだけ意地悪だもん。

*****

そんなある日。

私は江藤君を飲みに誘った。
あることを報告、そして自慢したくて。

結局場所は、私のバイトの上がり時間が遅かったこともあり江藤君の家で飲むことになった。

「そういえばさ」

「何?」

飲み始めてから結構経った頃、私はわざと思い出したような風にして話を切り出した。
本当は言いたくて言いたくて堪らなかったこと。

「ご報告があります」

「何」

急に改まる私を、訝しげに見る江藤君に思わず笑みが溢れる。
この表情を私は今から崩すんだ。どんなに悔しそうな表情をしてくれるんだろうか。

「私もうすぐ彼氏できるかも」

「は?」

「この前、告白されたんだよね」

「誰に」

「江藤君は知らない人。この前ナンパしてきた人」

ニヤニヤが止まらない私とは裏腹に、江藤君の表情はあまり変わらない。
悔しそうな顔どころか、益々眉間に皺が寄っている気がするのは気のせいだろうか。

「佐伯君っていってね、優しくて超イケメン」

「好きなの?その人のこと」

想像していた反応とはかけ離れた、淡々とした言葉。
弄ってくる様子もないし、いつもと違うのは少し酔っているのか顔が火照っていて赤いとこくらい。

「…まぁ、それはこれからってとこかな」

「好きじゃないんだ」

「これから好きになるからいいじゃん」

「好きでもないのに付き合うんだ」

彼氏がいなかったらいなかったで、毎日馬鹿にしてくるくせにできそうになった途端なんでこんな冷たくなるのか意味が分からない。

江藤君の言いたいことは分かるんだけど、そんな言い方ないじゃん。

少し気まずくなった空気。
とりあえずお酒を飲もうと視線を酎ハイに向けながら口に含んだ途端、江藤君はポツリと呟いた。

「じゃあ、俺でもいいってことじゃん」

「…え?」

ゴクリと、口の中のお酒を飲み込んで口を離した時。
いつの間にか接近していた江藤君は、私の頬に手を添えキスをしてきた。

―ゴトッ

思わず手から酎ハイが離れ、床に落ちた酎ハイが倒れ溢れる。

思わず突き飛ばそうと、江藤君の胸に両手をあてる。

だけど、その手は江藤君の片手で掴まれて、もう片方の手を私の後頭部にまわしてガッチリ固定して、今度は深いキスをしてくる。

「ふっ…んぅ…っ、…」

チュクチュクと、脳内に水音が響いて。

恥ずかしくて、恥ずかしくて、バタバタと暴れようとするけど江藤君の力は強い。

漏れる自分の声と、強引に絡められる舌。

なんでいきなりこんなことになってんの。

公開日:

感想・レビュー

1件のレビュー

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  • このシチュエーション萌えます

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    1

    はな さん 2023年6月30日

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