月一のカノジョ
リィさんは自分の彼女が忙しい時に、私の働く店に月一だけ遊びに来るお客さんだ。粗暴な客が多い中、彼だけは私に優しく接してくれるので、本名も知らない彼への思いを募らせていた。たとえ、彼と一つになることは許されなくても――。
あの人はいつも、毎月最後の金曜日にだけやってくる。
私はここの風俗嬢で、環境もあまり良くない店だから、ろくでもない客ばかりやってくる。
そんな客の中に、一人だけ変わった男がいた。
名前を名乗ってくれることはなかったけど、私は「リィさん」と呼んでいる。
風俗なんて似合わない端正な顔立ちをした、サラリーマンのようなスーツ姿だったから。
私のところに来た理由を聞けば、「その日だけは彼女が忙しいから」だそうだ。
私は生まれも育ちも決して恵まれたものではなくて、母の再婚相手から虐待を受け、今でも体に痣が残っている。
学校も半分程度しか通えていないため、まともな仕事にも就けなかった。
だからいま私は、生きるために体を売っている。
男たちはみな、私の体に喜んでむさぼりつく。
(単純だなぁ)
私はいつも考えていた。まるで餌に群がるハイエナみたい。
けれど、あの人だけは違った。
*****
「やあ、お邪魔するよ」
にこりと微笑んで私にあいさつすると、リィさんは私の隣に座った。
「痣、治さないの?」
「治すお金がないから」
「そっか、…可哀そうに」
「同情?」
「いいや。僕が勝手に思ってるだけさ」
「そっか」
この人は、些細な話をいつも聞いてくれた。
同情じゃない言葉をかけてくれた。だから、私はあの人が好きだった。
けれど、私はなんとなくわかる。この人には、大事な人ががいるんだって。
「じゃ、始めようか」
*****
リィさんは私が一人でシテいる様子を見ているのが好きな人だった。
それを見ながら、自らのものをしごくのだ。
「っ…くっ、はぁ、今日も君はかわいいね」
私は必死で、自分の大切な場所をいじりまわす。
ぐちゃ、ぬちゃり。卑猥な音が私とリィさんだけの部屋に響き渡った。
「じゃあ、次は自分で乳首をいじってみて」
リィさんの言葉の通りに、私は自分の敏感なところを乳を搾るように、優しくつねり上げる。
リィさんの甘い言葉のせいで、それだけで気持ちよくなれた。
「っは、ぁっ…りー、さん…っ、ちくびっ、きもちひ、よぉ」
「あぁ…っ、たまらない…なぁっ」
私の顔をじぃ、と見つめながら彼も悦とした表情を浮かべ、自らのものをしごき続ける。
「っ。はぁっ、そろそろ、僕も気持ちよくなりたい、なぁ…!」
彼のこのフレーズは、私がイく様子を見せてほしい、という意味だった。
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