イケメン上司とスリルなオフィスラブ

・作

会社のイケメン上司である課長が好きな私。でもアプローチする勇気もなく、毎朝コーヒーを淹れて渡すことが精一杯。ある日、残業で遅くまで会社に残っているとみんな帰ったはずなのに課長が現れ、仕事を手伝ってもらうことに。そしてコーヒーを胸元にこぼしてしまい、課長は自分のハンカチで私の胸元を拭いてきて…

私は働くOL、吉川沙織 24歳。

この会社に勤めて2年になる。

そして私には好きな人がいる。

同じ課の課長だ。

独身でイケメンで優しくて、若くして課長になったハイスペックな男性だ。

狙っている女子社員も多い。

私は引っ込み思案だから積極的なアプローチなんてできないけど、課長を想いながら

【毎朝コーヒーを淹れて渡す】という業務は私がやっている。

課長は早めに出社をするから私は課長より早くに来てスタンバイしている。

ただただコーヒー1杯の為に。

だけど

「いつもありがとう」

そういわれるだけで、今だけは私を見てくれていると感じ、嬉しくなりその日1日頑張ることができる。

*****

ある日のこと、私は残業していた。

「ああもうみんな帰っちゃったぁ休憩しよ」

休憩室に行くとそこにも誰もいない。

すると

「吉川さん?」

振り向くと課長がいた。

「まだ残業してたの?」

「あ、はい。明日までに終わらせないといけない仕事が残ってまして」

「じゃあ手伝うよ、2人でやった方が早いでしょ」

「えっ、そんな…大丈夫ですよ、もうすぐ終わりますし」

「遠慮しないで、それに部下を1人残して帰れないよ」

ニコッと微笑む姿にドキッとしたが、素直に甘えることにした。

2人で黙々と仕事をしたが私は課長のことで頭がいっぱいだ。

この部屋には2人きり。

それだけで緊張し、鼓動が速くなる。

それにしても課長は優しいなぁこんなことされたら誰でも好きになっちゃうよ。

罪作りな人だ…

*****

そして課長の助けもあって、すぐに仕事を終えることができた。

「ありがとうございました。助かりました。急いでなかったらコーヒーを淹れてきます。飲みますか?」

「うん、飲む!ありがとう」

笑顔が眩しくてクラッとしてしまう。

「毎日コーヒーを用意してくれてありがとね。吉川さんのコーヒーがないと1日が始まらないんだ」

「えっ、またまたぁ」

「本当だよ。たまに他の人が持ってきてくれるけど、その人には悪いけどなんか違うんだよね。吉川さんが淹れてくれるコーヒーが1番しっくりくるというか美味しいんだ」

「あ、ありがとうございます」

嬉しさで手が震えてしまい、持っていたコーヒーを胸元にこぼしてしまった。

「あっ」

「大丈夫?」

課長はとっさに自分のハンカチを出し、拭いてくれた。

「熱くない?大丈夫?」

「大丈夫です。あの、課長、そこは…」

課長は私の胸元を拭いていた。

「あ、ごめん!」

「いえ!他の人なら拭かれたくない場所だけど課長なら大丈夫です」

本音が漏れてしまった。

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